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総務省のメディア利用調査。現在のネット・ニュース媒体は将来も安泰か?

 

 総務省情報通信政策研究所は2014年4月15日、メディア利用などに関する調査結果を発表した。新聞とニュースサイトの利用については、60代の高齢者の約9割が紙の新聞を利用し、逆に20代は4割がYahoo!ニュースなどのニュース配信サービスを多用していることが分かった。

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 この調査は昨年末、全国の1500人に対して実施したもので、従来型メディアとネットメディアの利用動向について多面的に分析している。
 新聞とニュースサイトに関する調査項目では、紙の新聞、新聞社が提供する有料ニュース、新聞社が提供する無料ニュース、ネット上のニュース配信サービスについて、それぞれの利用率を調べている。

 利用率がもっとも高かったのは紙の新聞で全体の65.8%が利用していた。当然のことだが、この結果は高齢者が数値を引き上げている。
 60代における新聞の利用率は圧倒的で90%を超えている。一方、20代では37.2%となっており、世代が若いほど紙の新聞の比率が下がってくる。20代がもっとも利用しているのはポータル系ニュース配信サービスで利用率は48.9%であった。ただ、10代でも35%が紙の新聞を利用しており、意外と健闘しているようにも見える。

 新聞社が提供する無料サイトの利用率は低く、全体で7.3%、日経電子版などの有料版はさらに低く1.4%にとどまっている。想像通りの結果だが、新聞社の無料サイトはあまり読まれておらず、多くがニュース配信サービス経由になっている実態が浮かび上がる。

 今後の動向だが、素直に考えれば、ニュース配信サービスを多用する世代が増えるにつれて、新聞のシェアは激減し、ネット上のニュース配信サービスが急拡大するという経過が想像される。だが必ずしもそうなるとは限らない。新聞はかつては若者向けのメディアだったという過去があるからだ。

 新聞は今でこそ、高齢者のための媒体となっているが、以前は違った。異なる調査なので同一には比較できないが、NHKが1975年に行った調査では、1日のうち15分以上新聞を読む人の割合は20代で61%、30代で80%だったが、70代以上では50%しかいなかった(男性)。この結果を見ると、かつて新聞は若い世代がビジネス情報を得るための媒体だったことが分かる。この若い読者層がそのまま持ち上がり、現在の高齢読者層を形成している。

 現在、ネットのニュース配信サービスでニュースを見ている若者が中高年になった時には、やはり同じように現在のサービスを利用し続けているかもしれないが、さらにその下の世代が、同じようなスタイルでニュースを読む保証はないのだ。

 今のところ、PCとスマホを超える革命的なデバイスが出てくる見込みはないが、イノベーションはいつどのようにして発生するか分からない。現在のニュース配信サービスを利用している今の若者が中高年になった時、さらに若い世代から、化石メディアをまだ使っていると揶揄される時代が来るかもしれない。

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