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クールで事務的といわれるオバマ大統領。今回の首脳会談でもその傾向がハッキリと

 

 オバマ米大統領が来日し、安倍首相と首脳会談を行った。オバマ政権は、よく言えば実務型でクール、悪く言えば他国に対して非常に冷淡といわれる。今回の首脳会談でも、オバマ政権のこうした特徴がはっきり見て取れた。

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 首脳会談後には共同記者会見が行われたが、「バラク」とファーとネームで呼びかけ「揺るぎない日米同盟」「強力なリーダーシップの発揮」といった発言を何度も行った安倍首相に対して、オバマ大統領は最後まで淡々と「安倍首相」と呼ぶなど少々他人行儀な対応。
 一方、記者からの質問には、具体的に長々と回答するなど、実務家らしい側面を見せた。一連の言動からは、日中関係を含む、諸外国の問題に対して基本的に一定の距離を置こうとするオバマ政権の方向性をはっきり読み取ることができる。

 オバマ氏は、尖閣諸島が日米安保の適用対象であると述べたが、一方で、これは米国の公式見解であり、特に新しいことではないことも併せて強調している。中国がどのラインを超えた段階で米国は行動するのかという問いに対しては「日米安保は私が生まれる前に出来たものであり、どこがレッドラインなのか定まっているわけではない」と他人事のような説明を行っていた。

 また米中関係については、「米国は中国と強い関係を持っている」「米中関係は中国が平和的に台頭することを支持している」とし、封じ込めではなく交渉相手であることを強調している。日中関係についても「平和的に問題を解決することを望む」という内容にとどまっており、踏み込んだ発言はなかった。

 こうしたオバマ氏のクールなスタンスは、日本に対してだけのものではない。ウクライナ問題について質問されたオバマ氏は、「何度も説明してきたように、ウクライナ問題を軍事的に解決するつもりはない」とし、米国がこの問題に積極的に関与するとの期待を一蹴した。
 またシリア問題についても、「化学兵器の撤去は着々と進んでおり、この問題を解決するためにミサイルを発射する必要はない」とし、軍事的な解決策は全く想定していないことを明らかにしている。米国の一部には、シリア問題やウクライナ問題に対して、軍事力を行使すべきだという意見も出ているが、真っ向からこれを否定した形だ。

 オバマ政権は、以前の各政権と比べて非常に「内向き」だといわれる。これは他国に干渉したくないというオバマ政権のポリシーなのだが、現在の米国民の意識を反映したものでもある。世論調査でも外交についての関心が異様に低く、圧倒的に経済問題への関心が高いという結果が得られている。

 この点を反映してかオバマ氏はTPPについてはかなり踏み込んだ発言を行ったが、その言い方は、やはり第三者的であった。オバマ氏は日本側が長期的視点に立って決断するよう求めたが、そこには「日本がもし今後も先進国であり続けたいと望むのであれば」という、少々嫌味な前置きが付けられている。

 米国はアジア重視の外交を掲げているが、これは「リバランス戦略」と呼ばれているもので、あくまで中東に肩入れし過ぎた従来の姿勢を修正するという趣旨である。中東の代わりにアジアに対して政治的、軍事的なコミットを強めていくわけではない。日本はこの点をよく理解しておく必要があるだろう。

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