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消費税の便乗値上げはあったのか?4月の東京都区部の消費者物価指数は2.7%上昇

 

 消費増税後、初の物価統計として注目されていた4月における東京都区部の消費者物価指数が発表された。価格変動の大きい生鮮食料品を除いた指数は前年同月比2.7%の上昇となった。

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 消費者物価指数は消費税の影響を考慮しないので、数値が上昇することはあらかじめ予想されていた。問題は、これが消費税の増税分だけによるものなのか、便乗値上げなどを含む、価格上昇分を含んでいるのかという点である。
 日銀では消費増税が物価に与える影響として、4月については消費者物価指数(前年比)の1.7ポイント上昇を見込んでいる。
 東京都区部における4月の上昇率は2.7%だったのに対して、3月の数値は1.0%であった。つまり4月との差分は1.7ポイントということになる。
 日銀の見込みは全国の物価であり東京都区部のものではないが、上昇率の差分は日銀の予想と一致している。これが正しいとすると、4月の実質的な上昇率は1.0%ということになり、3月の水準と同じになる。

 最近、総務省の消費者物価指数の先行指標として、東大物価指数が注目を集めている。これは東京大学が中心となって作成した指数で、全国の300店舗におけるPOS(販売時点情報管理)システムのデータを用い、日時で物価指数を算出するというものである。

 これによると、4月1日は消費税の影響を除いた物価上昇率が0.8%に、翌日は1.3%にも達し、かなりの範囲で便乗値上げが行われていることが推察された。しかしその後、指数は下落が続き、8日以降ではマイナスになる日も出ている。
 小売店では販売動向を見ながらこまめに価格を変更しているので、増税直後の数字だけでは全体の状況を判断することは難しい。最終的には4月の消費者物価指数が出てこないと分からないが、東京都区部の物価指数が想定の範囲内だったことを考え合わせると、便乗値上げはそれほど行われていないのかもしれない。

 市場では日銀の追加緩和策に対する期待があり、秋には実施に踏み切るとの予想が多い。だが一方では、追加緩和はないとの見方も広がってきており、市場の見方は交錯している。
 消費税の影響を除いた物価上昇率が1.0%だと仮定すると、これについて、底堅く物価は推移していると見るのか、物価上昇が鈍化していると見るのかで、追加緩和に対する見方も変わってくるだろう。市場はさらに難しい対応を迫られそうだ。

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