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現代版バベルの塔「スカイツリー」で電波障害が多発。東京はもはやソドムと化した?

 

 東京スカイツリーで大量の電波障害が発生している。毎日新聞が報じたところによると、放送事業者が試験電波によるサンプル調 査を実施したところ、1900世帯のうち、約200世帯で電波障害が発生、その後実施した追加調査でも2700世帯のうち約300世帯で障害が認められた。
 これは世帯数の約1割で電波障害が発生していることになり、尋常な数字ではない。放送事業者は、受信対策などで今後、最大100億円を負担する見通しだという。

 東京スカイツリーに電波障害が発生した問題は、国がすさまじい勢いで劣化している現在の日本を象徴する出来事といってよいだろう。

 そもそもスカイツリーは地上波デジタルへの移行をきっかけとして、高層ビルが増加し電波障害の増加が懸念されることから立案されたプロジェクトである。
 だがプロジェクト立案当時から、インターネットが普及している状況を考えると、巨大なTV塔をあらたに建設するというのは時代に逆行しているという意見はかなりあった。実際、米国などの先進国ではどんどんTV塔はなくなってきている。
 だが、日本では地上波TV局そのものが、時代に逆行する保護産業であり、そのような声は無視されプロジェクトは実行された。

 ところが作ってみれば電波障害が大量発生している。これでは現在使用している東京タワーの方が100倍マシではないか?

 これはちょっとした科学的素養があれば分かることなのだが、地上波デジタルの周波数は、地上波アナログ放送の多くが使用しているVHF帯よりも周波数が高く(アナログのUHF帯と同じ帯域)、ビルなどの影響を受けやすい。しかもデジタルの場合には、電波状況が悪いとまったく映らなくなってしまう。
 都心におけるビルの建設状況を考えれば、500メートルの鉄塔を作ったところで、電波障害が大量に発生する可能性が高いことは、事前に予測できたはずである(おそらく当事者は想定外と言うのだろうが・・・)。
 どう考えても、現行の東京タワーを継続して使用し、地上波デジタルへの移行で電波障害が発生したところだけ、難視聴対策をする方が安上がりだ。

 もはや化石となった感のあるマスコミ業界の人たちだが、彼らは巨大な鉄塔を建てて、電波を独占的に使用するという昭和30年代の思考回路からまだ抜け出せていないようである。
 その証拠に、スカイツリーがオープンした時のマスコミの騒ぎようは尋常ではなかった。高い鉄塔を見上げて「日本の技術はすばらしい」を連呼しているその姿は、発展途上国そのものである。イマドキ東南アジアはおろか、アフリカの途上国の人でさえ、高い鉄塔ができたといって喜びなどしない。

 東京タワーには今でもアジアの観光客が毎日押し寄せているが、アジアにはもっと高いタワーなどゴマンとある。彼らはハイテクを見に来ているのではなく、パリのエッフェル塔を見に来る感覚なのだ。アジアの観光客の方がよっぽど時代を理解している。

 電波障害の発生が事前に予見できるにもかかわらず「想定外」を平気で口にし、無用の長物を作って悦に入っている。スカイツリーがバベルの塔にしか見えないのは本誌だけではあるまい。しかもバベルの塔の眼下にはソドムの町が広がっているようだ。

 - マスコミ, 社会

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