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購買力平価を基準にしたGDPでは、2014年に中国が世界1位に

 

 世界銀行が発表した2011年における購買力平価をベースにすると、中国のGDP(国内総生産)は2014年にも米国を抜いて世界1位になる見通しとなった。この計算方法を適用すると、日本は2011年の段階でインドに抜かれており、第4位になっているという。

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 購買力平価とは、モノの値段を基準にした為替レートのこと。同じモノは世界のどこにいっても同じ値段で買えるはずという一物一価の考え方で為替レートを計算する。
 もっとも有名なのはビックマック指数といわれているもので、ハンバーガーの値段が各国でいくらになっているのかで為替レートを計算する。実際の購買力平価は全体の物価動向をベースに計算されている。

 2011年時点における米ドルと人民元の実際のレートは1ドル=約6.5人民元、しかし購買力平価によるレートでは1ドル=3.5人民元になる。つまり人民元は過小評価されているということになり、購買力平価で見た中国のGDPは、現在の数値よりも2倍近い水準になる。

 2011年の米国のGDPは15兆5338億ドル、通常の為替レートを基準にした中国のGDPは7兆3220億ドルしかない。だが、購買力平価をベースにした為替レートを適用すると、中国のGDPは13兆4960億ドルとなり、米国にかなり近くなってくる。
 さらにIMFが出している2014年のGDP見通しに、この数値を適用すると、米国は17兆5284兆ドルであるのに対して、中国は17兆9075億ドルとなり、中国は米国を抜いて世界1位になる。

 現実の為替レートは、長期的には購買力平価と強い相関があるといわれている。実際、ドル円の為替レートも、短期的には様々な要因で動いているが、長期的には購買力平価に沿って動いてきている。現在、米国は中国に対して人民元が過小評価されているとして、人民元の切り上げを迫っている。一方の中国は、輸出振興という観点から、人民元の切り上げを渋っている。
 長期的にみて、為替が購買力平価に収れんするのだとすると、人民元の切り上げは時間の問題ということになる。ただ、こうした修正が一気に行われる可能性は低く、ある程度の年月が必要となる。実際に中国のGDPが米国を抜くのはもう少し先のことになるだろう。

  ちなみに世界銀行の発表によると、日本の購買力平価は1ドル=107.5円となっている。日本でも物価上昇が始まっているので、円安がさらに進んでいる可能性がある。いずれにせよ、1ドル=80円時代に比べれば、実際の為替レートと、購買力平価の数字が大きく乖離するという状況ではなくなっている。今後は国内物価の推移がそのままドル円相場に反映されてくることになるだろう。

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