ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ダウが最高値更新。間違っているのは金利なのか株価なのか?

 

 量的緩和の縮小が進む米国で、思いのほか金利が上がらないという状況が続いている。低金利政策が続くとの見方から、株式市場は最高値を更新したが、楽観論の中にも不安心理がくすぶっている。

nyse

 先週のダウ平均株価は16583.34ドルで取引を終え、最高値を更新した。
 このところ下落が続いていたモメンタム株(勢いで買われる銘柄)に買い戻しが入ったことが主な要因で、ひとまず市場には安心感が戻った。ただ、マクロ的な視点で見ると、米国の株式市場は現在、微妙な状況にある。

 米国経済の順調な回復を受けて、FRB(連邦準備制度理事会)は昨年末から量的緩和策の縮小を開始している。本来であれば、それに合わせて金利が上昇していく必要がある。だが米10年債は緩和縮小前後には3%台に乗せたものの、その後下落が続き(債券価格は上昇)、現在では2.6%になっている。

 長期金利は最終的にはその国の名目成長率に収束することが知られている。つまり、金利が思った程上がらないというのは、景気回復の足取りが、事前に考えられていたほど順調ではないと市場が判断していることになる。
 ここで問題となるのが株価である。米国の株式市場が好調だったのは、米国経済の順調な回復を先取りしてきたからである。だが量的緩和の縮小が始まり、景気回復が現実のものになってきた段階では、期待で上昇してきた株価は一旦調整し、その後、再び上昇軌道に乗ると考えられてきた。

 だが長期金利が上がらないということになると、そのシナリオが崩れてしまう。当面は低金利政策が続くことから、株価にはプラスと判断され、買い進まれているわけだが、多くの投資家が近く大きな調整があるのではないかと考えている。だが目先の上昇トレンドに乗らないと利益が出ないので、不安に思いながらも買い進めている状態だ。

 一般的には、こうした状態は長くは続かないと考えられている。景気回復ペースが加速すると認識され、長期金利が上昇を始めるのか、逆に長期金利の状況に合わせて、買われすぎた株価が一旦調整するのかのどちらかである。
 ただ、ディスインフレ(インフレ率が低下すること)の傾向が続き、白黒はっきりしない株価が継続する可能性もある。そうなってしまうと、市場関係者にとってはもどかしい日々が続くことになる。

 - 経済 ,

  関連記事

setubitousi
1~3月期のGDP改定値は設備投資の増加で上方修正。今後のカギは為替

 内閣府は2015年6月8日、2015年1~3月期のGDP(国内総生産)改定値を …

moribuild
これが本当の「森ビル」だ!ミラノで全面緑化ビルが完成したが、その前途は多難?

 イタリアのミラノで建設が進められていた全面緑化型の高層ビル2棟がこのほど完成し …

saujisaruman
サウジアラビアのサルマン国王が1000人を引き連れて異例の来日。背景には強烈な危機感

 サウジアラビアのサルマン国王が2017年3月12日、来日した。13日には安倍首 …

bouekitoukei 201501
1月の貿易統計、輸出数量がようやく増加傾向に。要因は好調な米国経済

 財務省は2015年2月19日、1月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …

gasstation
浪費時代に逆戻り?原油価格の下落で変わる米国の消費市場

 省エネ志向から小型車に人気が集まっていた米国の自動車市場に異変が起きている。燃 …

ieren03
FRBが予定通り追加利上げを決断。内容は想像以上にタカ派で、すでに金融引き締めに転換?

 大方の予想通り、FRB(連邦準備制度理事会)が追加利上げを決定した。ただ内容は …

nichigin04
家計の金融資産は1700兆円を突破。株式は3年で2倍になった

 日銀は2015年6月29日、1~3月期の資金循環統計を発表した。3月末の家計に …

toshiba201405
東芝が新経営方針を発表。原発依存リスクからは脱却か?

 東芝は2014年5月22日、経営方針説明会を開催し、2017年3月期に売上高7 …

Mario Draghi
欧州中央銀行がとうとう時間軸政策を採用。FRBや日銀と同じスタンスに

 小康状態が続いていた欧州経済に再び動揺が走っている。これまで5%台で推移してい …

kuroda
日銀による国債の「大人買い」で、大量のマネーはどこへ向かう?

 日銀は4月4日、これまでとは規模感の異なる大胆な金融緩和策を打ち出したが、市場 …