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財務省が物価連動国債を個人にも解禁。足元では金利低下が続いているが・・

 

 財務省は2014年5月13日、物価連動国債の個人保有を2015年1月から解禁すると発表した。これまで機関投資家に限定していた物価連動債が個人でも買えるようになる。

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 物価連動債は物価に応じて元本が変動する国債。通常の国債は戻ってくる元本は変化しないので、インフレになった場合には投資家は損をしてしまう。だが物価連動債は、インフレになっても元本が増えるので物価が上がっても投資家は損をしない。

 アベノミクスが効果を上げてきたことで、日本はデフレからインフレに転換しつつある。このままインフレが進めば、国債の保有者は損失を抱えることになるので、市場からは発行を促す声が上がっていた。

 物価連動国債は2003年に導入されたが、当時はデフレの真っ最中。インフレで得をするどころか、元本割れのリスクが指摘され、2008年以降は発行を停止していた。昨年10月から発行が再開され、昨年度は合計6000億円の発行が行われている。
  物価連動国債の発行残高は2兆6000億円ほどしかなく、850兆円にもなる総発行残高のごくわずかでしかない。また、2014年度は約180兆円の国債を発行する予定だが、このうち物価連動債は1兆2000億円程度で、新規に発行する国債についても0.7%程度の割合である。

 ただ諸外国では、英国のように20%以上が物価連動債になっているところもあり、インフレに転換した日本においても、投資家からの リクエストが高まってくる可能性は高い。一方で、物価連動債をあまり積極的に宣伝しすぎると、インフレを容認していると捉えられる可能性もあり、取り扱いが難しい。

 もっとも足元では、まったく逆の動きが起こっている。量的緩和が継続中であるにもかかわらず、金利の低下が続いており、10年債の利回りは0.6%に迫っている。だが、この動きは金利上昇のマグマが溜まっていると解釈することもできる。

 財務省としては、徐々に物価連動債の発行を増やし、市場からの信認を獲得しつつ、すでに発行された通常の国債については、マイルドなインフレによって実質的な債務水準を減らしていきたいところだろうが、果たしてどうなるだろうか?

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