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安倍政権vs年金官僚。年金運用の株式シフトをめぐって大バトル

 

 公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用方針見直しをめぐって、安倍政権対GPIFのバトルが激しくなっている。一部ではGPIF理事長更迭も取り沙汰される状況だ。

 abe5gatsukeizai 年金の運用改革については2013年11月に、国債を中心とした従来型ポートフォリオの見直しを求める有識者会議の報告書が出ている。安倍首相は2014 年2月の衆院予算委員会で、公的年金の運用方針を見直す考えを明らかにしており、現在、その方向で準備が進められている。

 有識者会議では、日本がデフレからインフレに転換していることをふまえ、近い将来、金利が上昇するリスクがあると指摘。国債だけに偏った運用をしていては、GPIFに損失が出る可能性があるとしている。報告書では運用ポートフォリオを見直し、株式の保有比率を上げることを提言している。

 だが当のGPIFはこの改革案について消極的だ。GPIF理事長の三谷隆博氏は日銀出身だが、2%の物価目標については否定的で「実現は難しい」との見解を示している。また国債はデフォルトしない限りは優良資産であるとし、株式の保有比率の上昇についても「証券業界が期待しているだけ」とバッサリ。有識者会議の提言についてことごとく反論しており、改革を進めたい安倍政権とは真っ向から対立する状況となっている。

 三谷氏の背後には当然、年金官僚が存在している。改革を進めたい安倍政権とこれに抵抗する年金官僚という図式に見えるが、必ずしもそうとは言えない側面もある。有識者会議の意図はともかく、GPIF改革を進める政権側のホンネとしては、やはり現在低迷している株価対策という側面が非常に強いからである。

  年初に1万6000円を突破していた日経平均はズルズルと値を下げており、現在は1万4000円近くまで下落している。日経平均の下落は、新興国不安や世界的なディスインフレ傾向などマクロ的な要因も大きいが、成長戦略の不発から政策との関連性を指摘されやすい環境にある。政権ではとにかく株価を浮揚させることを最優先課題にしているといわれる。

 そこで期待されているのが、GPIFの運用方針見直しである。GPIFは、現在約130兆円という巨額の資金を運用しており、ごく一部分でも、債券から株式へのシフトが発生すれば、株価を押し上げる効果は絶大である。4月には、麻生財務相が公的年金による株の買い支えとも取れる発言を行い、株式市場ではちょっとした話題になった。

 だが株式の運用には当然リスクが付きものである。GPIFにしてみれば、もし損失を出してしまったら、責任を問われるのは自分達だと考えており、リスクのある投資はやらない方が無難ということになる。
 一方、安倍政権側も、GPIFに対してゴリ押しし過ぎると、株価対策に奔走しているとの印象を持たれてしまう可能性があり、微妙なところである。結局のところGPIF改革は、この先の株価動向に大きく左右されることになりそうだ。

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