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中国がロシアから天然ガスを高価格で大量購入。ウクライナ問題でロシアが優位に?

 

 ロシアと中国が、天然ガス供給に関する大型の長期契約を締結した。ロシアはEUに代わる有力な供給先を確保したことになり、ウクライナ問題に大きな影響を与える可能性がある。

 puticshukinpei201405 ロシアのプーチン大統領は2014年5月20日、中国を訪問し、習近平国家主席と会談した。ロシアと中国は、ロシアが中国に対して、年間最大380億立方メートルの天然ガスをパイプラインで供給する契約を締結した。期間は30年で、総額は4000億ドル(約40兆円)になる。

 この契約締結はロシアにとって非常に意味がある。ロシアはウクライナ問題で国際的に孤立しており、欧州への天然ガス供給の制限をちらつかせて、西側と交渉を進めている。

 だがロシアにとって天然ガスは外貨を獲得できる数少ない手段の一つであり、実際に欧州への供給を制限してしまうと、ロシアにとっても大打撃になってしまう。このタイミングで大口の買い手として中国が名乗りを上げたことで、ロシアはウクライナ問題の交渉を有利に進められるようになった。

 中国向けに輸出する天然ガスは、ロシアが欧州に供給している天然ガスの4分の1の量に相当する。しかも、中国側は千立法メートルあたり350ドルという、ロシア側が希望している価格水準を大筋で受け入れたとみられる。現在、欧州向けの天然ガス価格は400ドル前後、長期契約だともう少し安くなるといわれている。ロシアにとっては欧州とそれほど変わらない価格で中国に輸出できることになる。

 中国とロシアは10年にわたって天然ガスの交渉を続けてきたが、価格面で折り合いがつかず、交渉をまとめることができなかった。今回、このタイミングで契約締結となったのは、中国側がロシアに対して価格面で譲歩したことが主な要因と考えられる。ロシアの苦境をうまく利用し、中国はロシアに対して恩を売った格好だ。

 ロシアは欧州への天然ガス供給を制限しても、十分な額の外貨を稼げるようになった。この契約締結はウクライナ問題をめぐる地政学的な転換点になる可能性がある。

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