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インフレ期待からREITの値動きが好調。一部からはプチ・バブル化懸念の声も

 

 REIT(不動産投資信託)の値動きが堅調だ。このところ日経平均は低迷が続いているが、東証REIT指数は上昇傾向が鮮明になっている。背景にはインフレ転換と、それに伴う賃料収入の拡大期待がある。だが市場の一部からはプチ・バブル化を懸念する声も聞こえてくる。

reit201405

 日経平均は年初以来、下落が続いている。年明けに1万6000円を突破していた株価は、一時、1万4000円を切るまで下落、現在も1万4000円台をウロウロする状況が続く。

 市場では、アベノミクスの成長戦略を外国人投資家が見限ったことを下落の原因する見方が多い。もちろんそういった面はあるのだろうが、新興国不安や全世界的な成長率の鈍化懸念など、多くの要因が絡み合った上での株価下落と考えらる。

 日経平均の低迷が続く一方で、REIT(不動産投資信託)の価格は好調だ。2月以降の株価急落局面ではREITも連れ安したが、日経平均ほどの下落にはなっていない。その後、回復のきっかけをつかめない日経平均に対して、REITはじわじわと上昇し、年初の価格をすでに上回った。

 REITが好調な背景には、日銀の量的緩和によるインフレ期待がある。金融機関は優良な融資先が乏しいことから大型ビルへの融資に対して非常に積極的である。このため大都市圏ではニーズを超えて大型ビルが次々に建設されている。
 だがマクロ的には供給過剰でも、ミクロ的にはそうはならないことも多い。大型の新築ビルがテナントに対して好条件を示すことで、周辺の古いビルからテナントを丸ごと奪うことができるからである。全体としては横ばいが続いていても、REITを構成する大型物件の需給がタイトになることは十分考えられる。

 実際、大型ビルの空室率は昨年後半から急低下している。また東京都心の平均賃料は、今年に入って、とうとう底打ちした可能性が高い。インフレへの転換によって物件価格の上昇や、賃料収入の拡大が期待できる状況になってきたのである。
 REITの市場価格は賃料や物件価格に先んじて動くので、日経平均の低迷にもかかわらず、好調な値動きが続いているという解釈が成立する。

 2007年の不動産バブルの際には、実際の賃料が値上がりしなくても、それを見込んだ買いが殺到し、REITの価格が高騰するという事態になった。一部の関係者からは今回もそうなるのではないかという懸念の声が聞こえてくる。

 だが、日本がインフレに転換したことはほぼ間違いなく、名目上の物件価格や賃料は今後も上昇する可能性が高くなってきている。短期的にはプチ・バブルとその崩壊もあるかもしれないが、不動産価格は堅調に推移するとみる投資家は多い。

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