ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

三井不動産など増資案件が相次ぐ。インフレ期待の高まりか?

 

 三井不動産は5月27日、公募増資で最大3246億円を調達すると発表した。同社の本拠地である日本橋・八重洲エリアや、飯田橋エリアの開発費用に充当する。同社以外にも増資を発表する企業が増えてきているが、設備投資の好循環が始まっているのかを判断するのはまだ少し早そうだ。

nihonbashi201405

 現在、不動産業界では、日本経済がインフレに転換したことをうけて、将来の地価上昇を見越した開発案件が増えてきている。同社が現在開発を進めている案件の投資総額は2000億円近くに達しており、今後も大型案件が続く可能性が高い。
 同社の有利子負債は2015年3月期までにさらに増加する見込みだが、それにあわせて自己資本も強化するのが今回の増資の狙いと考えられる。

 このほか東レやヤマダ電機も大規模な増資計画を発表している。こうした流れをうけて、一部からは積極的な設備投資が復活し経済の好循環が発生しているとする見方が出てきている。確かに、企業の資金ニーズは増加してきており、デフレに苦しんでいた一昨年あたりとは状況が大きく変わっているのは間違いない。

 ただ、必ずしもこうした動きが設備投資の全面的な復活を意味しているわけではない。不動産業界は、金利が高騰しない限りはインフレによるメリットをもっとも享受しやすい業界だし、ヤマダ電機の増資はCB(転換社債)を使ったもので、増資と借り入れの中間的な手法である。自己株式の取得と既発債の償還など資本効率の向上が目的であり、必ずしも設備投資の拡大を目指したものではないからだ。

 とはいえ、三井不動産の増資にせよ、東レやヤマダ電機のCBによる増資にせよ、こうした案件が成立するということは、一部の投資家が、将来のインフレや株高を織り込み始めているということである。
 足元では物価の伸びが鈍化し、日銀が掲げる2%の物価目標は達成困難であるという見方が広がっているが、長い目で見た場合のインフレ期待は着実に高まってきているといえそうだ。

 - 経済 , ,

  関連記事

kikaiinsatu
機械受注は過去最大の伸びだったが、あくまで特殊要因。実態はマイナス

 設備投資の先行指標となる機械受注が11年ぶりの良好な数字となった。だが特殊要因 …

zenjindai2014
中国で全人代が開催。中国が抱える問題はバブル後の日本にさらに酷似

 中国における今後1年間の重要政策を議論する全人代(全国人民代表大会)が2014 …

no image
FRBがQE3実施を決定。バーナンキ議長が抱く真の野望が明らかに

 米連邦準備制度理事会(FRB)はとうとう量的緩和第3弾(QE3)に踏み切る。1 …

nichigin04
日銀の政策委員会、積極緩和派の原田氏起用で黒田路線がより強固に

 政府は2015年2月5日、退任する日銀の宮尾龍蔵審議委員の後任に、積極的な金融 …

no image
フィリップスのAV機器事業部を買収した船井電機ってどんな会社?

 船井電機は29日、オランダの電機大手フィリップスから、AV機器事業を買収すると …

takeshima
朴槿恵氏の大統領就任で韓国経済や日韓関係はどうなるか?

 与党セヌリ党の朴槿恵(パク・クネ)候補が大統領に選出されたことで、韓国はどのよ …

abe20140220
政府内部で法人税減税の議論が始まる。問題の本質は課税ベースの拡大にあり

 政府内部で法人減税に関する具体的検討が始まった。経済財政諮問会議2014年2月 …

judokituen
受動喫煙防止法案の経済的な影響は約8400億円と調査会社が試算

 政府が今国会に提出する予定の受動喫煙を防止する法案に関して、民間の調査会社が外 …

tosho002
米国の利上げに市場の関心が集中。増税延期と大型補正にも市場の反応は鈍い

 安倍首相は2016年6月1日、消費増税の再延期と大型の補正予算について正式に表 …

tenanmon
中国のPMIが低下するも、当局はハードランディング覚悟で対策は取らず

 中国国家統計局は7月1日、6月の製造業購買担当者景気指数(PMI)を発表した。 …