ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

軍部が全権掌握するタイで、フェイスブックが一時利用不能に

 

 軍部がクーデターで全権を掌握したタイでは2014年5月28日、SNSのフェイスブックが一時的に利用できなくなった。軍は否定しているが、情報統制のために一時的に遮断した可能性が高い。

 taikudeta2014 海外メディアによると、タイの情報通信技術省の幹部は、軍からの要請でフェイスブックへのアクセスを一時的に遮断する措置を取ったと述べた。軍はこれを否定しており、技術的な問題で一時的に接続不能になっただけだとしている。

 ただ情報通信技術省が、SNS各社に対して、協力を求めるため会合を呼びかる方針だという報道もある。もしそれが事実であれば、軍主導でSNSに対して情報統制を敷いている可能性が高い。

 タイではフェイスブックなどSNSの利用者が3000万人いると推定されている。テレビ局などは完全に軍の統制下に置かれており、インターネットだけが唯一の情報源となっている。このため軍はネットでの言論に神経をとがらせており、統制が強まることが懸念されている。軍は、フェイスブック以外にも200サイト以上を一時遮断したという情報もある。

 タイでは、インラック前首相の兄で、現在国外亡命中のタクシン元首相派と、官僚や軍を中心とする反タクシン派の権力闘争が長年続いている。タクシン氏は、低所得者や地方に対していわゆるバラマキ政策を行う一方、外国に対しては市場を大胆に開放するなど、いわゆる構造改革路線を進めてきた。

 このため、地方の農家や低所得者層、それに一部の実業家などからは絶大な支持を得る一方、既得権益を持つ官僚や大企業からは猛反発を受けている。タクシン氏には汚職容疑がかけられ、軍による事実上のクーデターで政権を追われた。現在は国外亡命中である。

 今回のクーデターで軍は両派に対して中立であることを強調しているが、実質的にはタクシン派の弾圧に近い。タイでは、1932年に立憲君主制へ移行してから、12回も軍による強権的な政権掌握という事態が発生している。

 軍によるクーデターは、これまで国民から圧倒的な支持を集めるプミポン国王が追認することで、その正当性を維持してきた。だがプミポン国王は高齢で体調を崩しており、リーダーシップを発揮できる状況にはない。近い将来、プミポン国王が死去するような事態となれば、軍がこれまで通りのパターンでクーデーターを実施できるのかは定かではない。

 これまでタイでは、政争が長引くよりは、軍によるクーデターで秩序を回復した方がよいと考える人も少なくなかった。だが、若者を中心に、軍によるクーデターで政局を安定させるという、これまでのタイ政治のあり方について疑問を持つ人が増えてきており、彼等の活動拠点は主にインターネットとなっている。軍がSNSの統制に乗り出しているのもこのあたりに原因がありそうだ。

 - 政治, IT・科学 , , , ,

  関連記事

shukinpei03
ボアオ・アジアフォーラムで習近平氏が国家主席就任後、日本側要人と初めて会談

 中国の習近平国家主席は4月8日、博鰲(ボアオ)アジアフォーラムに出席し、同フォ …

taiwangakusei
様変わりする台湾の民主化運動。背景には中国の台頭と米国政治の変質がある

 台湾で中国との経済協定に反対する学生が立法院(国会)を占拠している問題は、いま …

tokkyoshou
特許黒字は1兆円だがその内実は・・・・。特許収支からも分かる日本の空洞化

 国際競争力の低下や円高などによって、日本企業の海外移転が急ピッチで進んでいるが …

mof03
財務省は異例の3人連続の同期次官。次は82年入省組から次官就任か?

 財務省は2015年7月7日、幹部人事を発表した。事務次官は事前に報道された通り …

amazondrone
米国で無人機と旅客機がニアミス。無人機の認可方針にも影響か?

 米フロリダ州の空港近くで、旅客機に無人機が異常接近(ニアミス)するという事態が …

suga
上から目線?の「粛々と」、多用していたのは菅直人元首相

 沖縄の米軍普天間基地の移設問題をめぐり「粛々」という言葉が論争の的となっている …

kerrysensei
親中国派のケリー国務長官が正式に就任。最初の外遊先は中東に決定。

 次期国務長官に内定していたジョン・ケリー氏は2月1日就任宣誓を行い、第68代国 …

trumpchina
米中首脳会談は表面的には穏やかに終了。貿易不均衡をめぐる交渉は長期戦に

 注目されていた米中首脳会談は表面上は穏やかに終了した。トランプ政権は貿易不均衡 …

trump201611
トランプ大統領の登場で懸念される、日露急接近による地政学的リスク

 混乱の中で投票日を迎えた米大統領選挙は、土壇場でトランプ氏が逆転勝利するという …

sinchounakazuri
やっぱり革命政党?共産党が議員のラブラブ路チュー写真に激怒

 共産党の女性議員の路チュー写真が週刊誌に掲載された件で、共産党が激怒している。 …