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企業の業績拡大が中小企業にも波及。ただ設備投資は公共事業の依存度が高い

 

 財務省は2014年6月2日、2014年1~3月期の法人企業統計を発表した。売上高、経常利益、設備投資ともに前年同期比でプラスとなった。特に資本金1億円未満の会社における伸びが顕著であった。これまで大企業に限定されていた業績の伸びがようやく中小にも波及しつつある。

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 金融機関を除く全産業の売上高は345兆3293億円で前年同期比で5.6%の増加となった。製造業、非製造業とも、ほぼ同じ水準で伸びた。経常利益は17兆4552億円で前年同期比20.2%の増加となった。こちらは非製造業の伸びが極めて大きい。利益については非製造業主導であることが分かる。
 設備投資は12兆2307億円で、前年同期比7.4%の増加となった。設備投資がプラスになるのは4四半期連続である。

 全体として、資本金1億円未満の企業の伸びが顕著である。これまで業績回復は大企業に限定され、中小企業にはあまり波及していなかった。というよりも、大企業の利益率が増加し、中小企業の利益率が大きく減少するなど、下請けに対する値引き要求が強いことを伺わせた。だがここにきてようやく中小企業の業績も回復しつつあるようだ。

 今後の景気拡大のカギを握るのは設備投資だが、全体の状況は改善してきているものの、まだ手放しで喜べる段階ではない。製造業において設備投資が好調なのは、自動車、食品などの分野で、それぞれ前年同期比で2ケタの伸びを示している。
 一方、鉄鋼は19.6%のマイナス、海外への工場移転が激しい化学は11.3%のマイナスである。依然として海外への製造拠点流出は続いている。

 また非製造業では建設業界の伸びが53.9%と突出している。かろうじて運輸が20%台の伸びとなっているが、それ以外の業種は軒並み数%程度にとどまっている。非製造業の設備投資の拡大は、巨額の公共事業で支えられていることが分かる。

 今年度は公共事業の絶対数は減るが、オリンピック特需などもあり、引き続き需要は堅調である。ただ、公共事業主導の景気回復はいずれ限界が来る。その前に、消費主導で設備投資が回復するようにならないと、景気は腰折れしてしまうだろう。

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