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ないよりはマシ?安倍政権が成長戦略に企業統治を盛り込む方針を表明

 

 安倍首相は2014年6月3日、経団連の会合で講演し、コーポレートガバナンスを成長戦略の一つとして位置付ける方針であることを明らかにした。企業統治の強化や社外取締役の活用などについて、今月中にまとめる成長戦略に盛り込む。

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 安倍氏は講演で、「GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)がスチュワードシップ・コードの受け入れを表明したことは大きな力となる」と述べた。
 スチュワードシップ・コードは、企業の株式を保有する機関投資家向けに定められた行動規範のことで、投資家の利益を確保するとともに、投資先企業の長期的成長を促すための具体的な行動が記されている。
 英国で策定されたものを参考に、金融庁の有識者検討会が日本版を策定していた。

 日本ではこれまで、コーポレートガバナンスはないに等しい状態であった。上場企業の経営者の多くは、従業員から年功序列で昇進した人物であり、株主からの意向を受け、本当の意味で経営責任を果たせる人物ではない。また株主が経営に口を出すことは日本ではなぜかタブー視されており、機関投資家が議決権を行使することはほとんどなかった。

 ただ、スチュワードシップ・コードなるものを、機関投資家の多くが受け入れたからといって、投資家の利益になる行動を取れるようになるのかというと、必ずしもそうとは限らない。

 高度に資本主義が発達した英国では、株式会社の所有者が株主であることや、株主と経営者、あるいは経営者と従業員の利害が根本的に対立することなどは議論の大前提となっている。その上で、対話の重視や原理原則に基づいた柔軟な対応などがコードには定められている。

 しかし日本の場合、資本主義国では当然視されている大前提が成立していない可能性があり、そこに表面的なルールだけを持ってきてもうまく機能しない可能性があるのだ。
 実際、有識者検討会が出した文書にも、「対話を行うこと自体が目的であるかのような形式主義に陥らないよう留意すべきである」「原則主義は日本では馴染みの薄い面がある」といった日本ならではの懸念材料が列挙されている。
 また社外役員の登用についても、単なる官僚の天下り先の確保に過ぎないという手厳しい意見も市場からは聞こえてくる。

 ただ否定的なことばかり言っていても物事は前には進まない。日本におけるガバナンスの強化は始まったばかりなので、いろいろと懸念材料があることは、ある意味で当然のことである。ガバナンスの強化策が具体的に企業の時価総額にどのような影響を与えることになるのか、結果を見ながら議論を深めていくことが重要だろう。

 - 政治, 経済 ,

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