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万里の長城遭難ツアー会社は死亡事故2回目。危険ツアーが組まれる背景とは?

 

  中国の「万里の長城」付近で起きた日本人ツアー客4人が遭難した事故で、ツアーを企画した「アミューズトラベル」は5日、報道陣を前に、「ご遺族にはたいへん申し訳なく思っています。おわび申し上げます」と謝罪した。

 同社は、実は3年前にも北海道大雪山で8人が死亡するという夏山史上最悪の事故を起こしたツアーを主催している。観光庁はこの事故をうけて、同社を51日間の業務停止処分にしている。

 大惨事を繰り返した同社には批判の声が高まりそうな状況だが、このような危険なツアーが組まれる背景には、旅行市場の大きな変化があるという。

 かつて旅行業界は主に若い世代をターゲットとしてきた。旅行代理店大手のHISは格安航空券の販売で急成長した会社。顧客のほとんどはいわゆるバックパッカーと呼ばれる、荷物一つで世界を貧乏旅行する若者であった。
 だが最近の若年層は日本の高齢者優遇政策のあおりをうけて、給料が安くお金がない。しかも旅行そのものに対してもあまり興味を持っていない。HISの顧客層はそのまま持ち上がり、今では完全にシニア層向けの旅行代理店となっている。

 同社に限らず、現在の旅行業界はシニア層を顧客にしないと商売にならないのである。だが今のシニア層はお金とヒマを持て余しており、普通のツアーでは満足しない。多少金額が高くても、冒険がかった面白いツアーを望むのだという。
 だがこの手の顧客は面倒なことが大嫌い。重装備が必要とパンフレットに書こうものなら、すぐに敬遠されてしまう。いきおい「軽装備で大丈夫ですと説明しがち」(旅行代理店経営者)なのだという。

 前回の事故でも同社は業務上過失致死罪で捜査されていることから、今回は「みせしめ」で逮捕されるような事態も想定される。
 ずさんな計画を立てる旅行代理店の責任が重いことは事実だが、一方で旅行における安全を確保するのは自分自身というのもまた真実である。今回、同社や関係者を処罰したところで、根本的な解決にはならないだろう。

 - 社会, 経済

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