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新成長戦略の骨子が明らかに。従来とはうって変わって構造改革的な要素が前面に

 

 政府の産業競争力会議は2014年6月10日、今月下旬に閣議決定が予定されている新成長戦略の骨子を公表した。従来の成長戦略と比較すると、構造改革的な要素が強いものになった。

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 骨子の一番目には「緊急構造改革プログラム」として、コーポレートガバナンス強化のための新コード策定と大企業を巻き込んだベンチャー支援策を掲げている。
 新コードとは、企業の株式を保有する機関投資家向けに定められた行動規範のこと。英国で策定されたものを参考に、金融庁の有識者検討会が日本版の策定を行っている。企業の収益力を確保するために、機関投資家の意向が経営に反映されやすくする。

 大企業を巻き込んだベンチャー支援策は、これまで多くのベンチャー振興策を実施してきたが、目立った成果が上げられなかったことを受けた措置と考えられる。大企業とベンチャーが交流する場を設け、大企業を刺激し、イノベーションを促進させようという狙いがある。

 二番目には、雇用制度改革が記載されている。労働時間制度の見直しや雇用ルールの透明化が盛り込まれた。いわゆる残業代ゼロ制度や解雇ルールの明示などが検討されている。残業代ゼロ制度については年収1000万円以上を対象とすることで調整が進んでいる。

 これまで議論されてきた法人税改革は、あまり目立たない形で記載されている。法人税の引き下げについては、来年度から実施することについて合意が得られているが、その財源をめぐっては与党内部でもかなりの意見対立がある。こうした状況を反映しての記載と考えられる。

 これまで安倍政権の成長戦略は、従来型のいわゆる「業界支援策」ばかりが目立ち、第二の公共事業とまでいわれていた。今回の成長戦略は構造改革的な面が強く打ち出されており、市場に対してはそれなりのインパクトがあると考えられる。

 ただ同じ構造改革といっても、民の力による自律的なものではなく、官主導による上から改革である。これは裏返せば、日本の産業界には自律的に構造改革を実施する能力がなかったことを示しているともいえる。国家主導型の構造改革が果たしてうまくいのかは、現段階ではまだ何ともいえない。

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