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中国当局が香港の自治に関する白書を発表。中国による統治の正当性を強調

 

 中国国務院報道弁公室は2014年6月10日、香港の自治に関する白書を発表した。中国における香港政策である「一国二制度」の成果を強調するとともに、中国による統治があって初めて香港の自治が成立することを強調する内容になっている。このところ再び盛り上がっている香港の民主化運動を牽制する狙いがあると考えられる。

 honkon 白書は「香港特別行政区における一国二制度の実践」という名称で、中国の香港政策について5つの項目に分けて解説している。
 香港が英国から中国に返還された経緯や、一国二制度の成り立ちなどについてかなりのページを割いたほか、香港自治の基本となっている香港基本法についても、中国から見た場合の解釈を行っている。

 白書では、香港の高度な自治は中国による統治があってはじめて成立するものであり、香港が単独で存在するものではないとしている。また、香港基本法は全体として意味をなすものであり、個別の条文だけを取り上げて解釈することは望ましくないとも指摘している。

 香港では2017年に行われる行政長官選挙において自由選挙を求める声が高まっている。また6月4日には、中国国内では唯一、89年の天安門事件の被害者を追討する大規模集会が行われた。 中国当局は、香港以外の地域では民主化運動を力で弾圧することに成功しているが、香港だけは自治に関する基本法がネックになり、思うようにコントロールできていない。

 普通選挙の実施について、中国当局は全面的に反対しているわけではない。だが、9月に香港で開催が予定されていたAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の財務相会合が、中国当局の指示で北京に急遽変更になるなど、間接的な圧力が続いている。また今年3月に開催された全人代(全国人民代表大会)では、李克強首相の施政方針演説の中から「香港人による香港の統治」という表現が消滅するという「事件」もあった。

 こうした中での白書発表は、香港自治の上位に中国政府が存在しているとうことを内外に示す意図があると考えられる。行政長官選挙までには、まだかなりの時間があることから、中国当局と香港民主派の神経戦は当分続く可能性が高い。

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