ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

中国の犬肉祭に批判が殺到。捕鯨問題のヒントになる可能性も

 

 中国広西チワン族自治区の玉林市で毎年夏に行われる恒例行事「ライチ犬肉祭り」を目前に控え、犬肉を食べることの是非について論争が巻き起こっている。

inuniku

 中国の一部では昔から犬肉を食べる習慣がある。玉林市では毎年夏至の日に肉祭りを行い、飲食店が大量の犬肉料理を提供している。犬の鍋などを食べると、風邪を引きにくい体質になるという。

 だが、店頭に並ぶ犬の肉は、丸焼きなどなかなかグロテスクなもの。海外の動物愛護団体は、こぞって玉林市の犬肉祭りを動物虐待であるとして非難している。また中国人の生活が西洋化するにつれ、国内でも犬肉を食べることについて批判的な人が増えている。同市にはこうした動物愛護派の中国人が多数押しかけ抗議を行っているという。

 当局はこうした状況にかなり神経を尖らせており、動物愛護派を刺激しないよう、店頭の目立つところには犬肉を展示しない、犬の屠殺を公共の場で行わない、看板からは犬の文字を削除する、などの指導を行っているという。

 ただ商店主や祭の主宰者は、犬肉を食するのは中国3000年の伝統だ、などと反発を強めている。確かに中国の一部では犬肉を食べる習慣があるが(日本もかつては存在した)、この祭自体は18年前から始まったもの。同じく玉林の名産品であるライチを組み合わせ「ライチ犬肉祭り」としており、いわゆる町おこしのイベントである。

 こうしたことも背景にあり、現在の中国では、全体的には否定的なトーンとなっている。この状況は、日本における捕鯨問題とも一部共通しているかもしれない。

 国際司法裁判所の判決をきっかけに、このところ日本の調査捕鯨が再び国際的な批判の対象となっている。日本では鯨を食べる文化は昔からあったが、大量に鯨を捕獲し、日常的に食べるようになったのは、実は戦後のことである。

 食文化に関する議論はとかく感情論、差別論になりがちだが、商業的に目立つ行為を行うと批判が増えるというのは、共通したメカニズムのようである。
 野蛮とされる食習慣であっても、批判されずに続いているものもある。もし捕鯨を継続したいのであれば、両者を分ける違いは何なのか、もう少し真剣に考えてみてもよいだろう。

 - 政治, 社会 ,

  関連記事

fcatokai
日本がとうとう核物質の米国返還を決定。日米関係は根本的に変わった

 日米両政府は2014年3月24日、核物質の最小化に関する日米の共同声明を発表し …

doller
米国の債務上限問題。1兆円コイン発行という奇策は財務省が否定

 新年に入りオバマ大統領と議会共和党の攻防が再び激しくなっている。昨年末、財政の …

keizaizaiseisimon201410
政府がとうとう7~9月期GDPの弱含みについてアナウンスを開始?

 10%消費増税の判断材料となる7~9月期のGDP(国内総生産)について、数値が …

kaigosisetu
特養の規制を都市部で一部緩和。だが介護政策における根本的矛盾は解消されず

 厚生労働省が特別養護老人ホーム(特養)に関する規制を都市部に限って緩和する方向 …

mof02
財務省が来年度、物価連動債の発行を倍増の予定。財務相は火消しに躍起

 将来的な金利の上昇が予想される中、物価連動債の発行増額が話題となっている。財務 …

bankmuscut
世界中のATMから46億円を不正に引き出す事件が発生。プリペイド・デビットという盲点

 国際的なサイバー犯罪組織が27カ国のATMから約46億円を不正に引き出すという …

shougi
プロ棋士がコンピュータに負けた事件で浮き彫りになった日本人のメンタリティ

 将棋のプロ棋士とコンピューターソフトが争い、コンピュータが勝利したという出来事 …

debate
米大統領選挙TV討論会はロムニー氏優勢。オバマ大統領は酸素不足で失速

 米大統領選の第1回TV討論会が昨日終了した。  オバマ大統領は「ロムニー候補が …

puticshukinpei201405
中国がロシアから天然ガスを高価格で大量購入。ウクライナ問題でロシアが優位に?

 ロシアと中国が、天然ガス供給に関する大型の長期契約を締結した。ロシアはEUに代 …

choju03
WHO統計。日本は長寿世界一を何とか維持したが、2位転落も近いか?

 世界保健機関(WHO)は5月15日、2013年版「世界保健統計」を発表した。そ …