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海外で音楽聞き放題サービスが急展開。CDが生き残る日本市場は変わるのか?

 

 一定金額を支払えば音楽が聴き放題になる定額ストリーミング・サービスの動きが活発になっている。海外ではこうした定額サービスが音楽の聴き方を大きく変えているが、日本はいまだにCDによる販売が80%を占め、ネットの音楽配信市場が縮小するという極めて特殊な国である。海外事業者による新しいサービスは日本の音楽市場を変えるのか、業界関係者は注目している。

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 米アマゾン・ドット・コムは2014年6月12日、定額を支払えば音楽が聴き放題となるストリーミング・サービス「プライムミュージック」を開始した。年間99ドルの会費を支払っているプライム会員であれば、追加の費用なしで音楽が聴き放題となる。

 一方、アップルは5月、定額制の音楽配信サービス会社ビーツを3000億円で買収すると発表している。またストリーミング配信大手であるSpotifyは日本のサービス開始に向けて準備を進めている最中だ。早ければ6月中にもサービスを開始する予定。

 こうした定額配信サービスは欧米の音楽市場を激変させている。無料あるいは定額で音楽が聞き放題ということになると、音楽を流しっぱなしにする利用者が増えてくる。
 流しっぱなしのサービスが定着してくると、サービス事業者は、利用者がどの分野の音楽をよく聞くのか、流れた音楽を全部聴いたのか飛ばしたのか、といった、よりきめ細かい情報収集を行い、利用者の好みに合った音楽を自動的に選択できるようになってくる。

 音楽業界にとってこうしたサービスはあまり望ましいものではない。マーケティング上の主導権を配信会社に奪われてしまうし、各レーベルは、配信会社と包括的な契約を結ぶことになるため、アーティストへの配分もさらに減少してしまう。
 一方で、マイナーなアーティストにとっては必ずしも不幸とはいえない。うまくシステムのアルゴリズムに引っかかれば、プロモーションをしなくても多くの人に聞いてもらえるチャンスが生まれるからだ。

 聴き放題サービスの普及は、音楽業界にとって総じて厳しい環境なのだが、こうした状況とは無縁なのが日本市場である。海外では、音楽配信サービスの普及によってCD販売が壊滅的打撃を受けたが、日本では、いまだに80%以上がCDによって販売されている。しかも音楽の配信市場は、急激に縮小しており、ここ5年で半分近くになってしまった。海外とは完全に逆行しているのだ。

 もっとも、配信市場が大幅に縮小したのは、着メロの販売が減少したことが主な要因である。そう考えると、もともと日本では配信サービスは立ち上がっていなかったと見る方が自然かもしれない。

 日本のCD価格は世界的に見て突出して高価だが、AKB48などに代表されるように、特定のファンが大量に購入するという特殊な市場環境にある。また比較的購買力の高い高齢者におけるCDへのニーズは強い。

 海外の配信サービスが日本に上陸した場合、こうしたガラパゴスな市場は破壊されることになるのか、逆に海外のサービス事業者が撤退することになるのか、今のところは何ともいえない。
 音楽業界の一部はこうした日本市場の特殊性に危機感を持っているが、全体としては、高額なCDをバンバン買ってくれる、今の市場環境を維持したいというのがホンネかもしれない。

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