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骨太の方針に具体的な人口目標を明記。だが本当に実現可能なのか?

 

 政府の経済財政諮問会議は2014年6月13日、「経済財政運営と改革の基本方針」、いわゆる「骨太の方針」の素案を提示した。法人税の実効税率について、「20%台まで引き下げることを目指す」と明記したほか、人口に関して「50 年後に1億人程度」という具体的な数値目標を設定した。

 kazoku004 日本の人口問題はかなり前から指摘されており、政府は重い腰をようやく上げたということになる。人口は経済成長の二大要素のひとつであり、一般論としては、人口を増やすことは非常に重要な政策ということになる。だが今の日本でこれを達成することは容易ではない。

 現在、日本の出生率は1.4程度だが、50年後に1億人を維持するためには、出生率を2まで引き上げる必要がある。日本の都道府県でこの数値を実現しているところはない。かろうじて近い数字を出しているのは沖縄で1.9となっているが、他県のほとんどは平均値に近い数字だ。
 2という数字を実現するには、多くの都道府県で沖縄を超える必要があるだけでなく、もっとも人口集約が進み、出生率が低い東京(1.09)を何とかしなければならない。

 だが安倍政権は、女性の社会参加の促進や生涯労働を推奨する政策も併せて実施している。これらの政策は、ある意味で人口増加策と矛盾するものである。女性を幅広く社会に参加させる一方、東京の出生率を現在の2倍にすることは現実的に不可能に近い。

 そうなってくると、すでに子供を持つ家庭による第三子の出産が決め手になってくるが、これも期待薄だ。内閣府が昨年行った調査によると、伝統的な家族の価値観を重視する人ほど出産意欲が高いものの、第三子以降についてはほとんど変わらないことが明らかになっている。つまり経済的な部分がネックになり、多産を望んでいても実現することができないのである。

 本当にこの数字を実現するためには、大量の移民を受け入れること以外に道はなくなってしまう。政府は建設労働者の恒久的な受け入れ策の検討を始めるなど、着々と移民受け入れに向けて動き始めている。
 米国のように、あらゆる階層の移民を上手に受け入れれば、イノベーションと競争が促され、経済成長にプラスの効果をもたらすことになる。だが本当に移民を受け入れるのであれば、極めて高度な戦略性が必要となるだけでなく、国内既得権益層との調整というやっかいな問題を解決しなければならない。
 現在の日本社会にその覚悟があるのかは何ともいえない。最悪なのは、こうした戦略性なしに、場当たり的に移民を受け入れることである。

 少子化対策の必要性について議論することと、具体的な人口の目標値を設定することには大きな違いがある。具体的な道筋を示さないまま、本当に目標値を設定してしまってもよいのか、もう一度、国民的な議論を行う必要があるだろう。

 - 政治, 社会 ,

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