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問題発言連発の麻生大臣。最後の大物政治家か、無邪気なボンボンか?

 

 麻生財務大臣の発言が話題になっている。新聞報道によると麻生氏は2014年6月21日、宇都宮市における会合で、集団的自衛権について言及した際、「学校で一番いじめられるヤツっていうのは、ケンカが弱い、勉強もできない、しかも貧しいヤツ。三つそろったら丸腰」と発言した。

 asohadaijin201406 最近は、よく言えばそつなく、悪く言えば官僚的なつまらない答弁に終始する政治家が多い中、発言内容の是非はともかくとして麻生氏の放言・失言は非常に際立っている。
 昨年の8月には憲法改正をめぐり「ナチスの手口に学べ」と発言して問題になったほか、終末期医療に関し「さっさと死ねるようにしてもらわないと」と口を滑らした。最近ではTPP(環太平洋パートナーシップ協定)に関して「オバマに国内をまとめる力はない」と発言したこともある。

  かつては、政治家の放言・失言は少なくなかった。古くは池田勇人元首相の「貧乏人は麦を食え」という委員会答弁は有名だが、池田氏は「中小企業の5人や10人自殺してもやむをえない」とも発言している。経済通と呼ばれた池田氏ならではの失言かもしれない。

 中曽根元首相も有名な失言が多い。日米同盟を強調するあまり、「日本は米国にとっての不沈空母」と発言し、当時は大問題となった。また原爆被災者を見舞いに訪れて「病は気から」と挨拶してしまったこともある。気持ちを強く持ってほしいという意味なのだろうが、原爆被災者の前では確かに不適切だったかもしれない。
 森元首相は「日本は神の国」と発言して結果的に自身が退陣するきっかけを作ってしまった。森氏は引退後も失言癖は変わらず、最近ではフィギュアスケートの浅田真央選手に対して「大事なときには必ず転ぶ」と発言して再び問題になっている。

 ネットなどでは発言の恣意的な切り取りであるとして批判されることも多いが、恣意的な切り取りは、むしろ昔の方が露骨だった。最近はネットで記録が残るのでむしろ、話の前後がどうであったのか検証されやすくなったといえる。古い世代の人であれば、佐藤栄作元首相が「新聞は偏向報道ばかり行う」として新聞記者を追い出し、テレビ局だけを対象に記者会見を行った事件を覚えているだろう(最近は編集技術の発達でむしろテレビの方が発言切り取りを行っているが)。

 政治家は常に多くの取材陣に囲まれており、発言が切り取られて悪用されることを誰よりも深く理解している。その中で、こうした問題発言が出てくる人と出てこない人に分かれるのは、やはり政治家の個性ということになるだろう。

 特に森元首相は、新聞報道を活用した政局に関する情報分析では永田町随一ともいわれていた。小泉政権時代には、小泉氏と絶妙なタッグを組み、メディアに意図的に情報をリーク、自民党内部さえウソの情報で翻弄していたくらいである。だが自分自身の発言については何度もメディアに利用されてしまっている。

 最近は時代が変わり、こうした政治家の失言・放言に対する社会の許容度はどんどん小さくなっている。その中において、こうした発言を繰り返す麻生氏は、古き良き時代を体現する最後の大物政治家なのか、それとも単なる無邪気なボンボン政治家なのか。果たしてどちらなのだろうか?

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