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米軍における無人機墜落事例は400件。商業利用では自動操縦で問題解決か?

 

 米国で400機以上の無人機が墜落していることが明らかになった。米国ではすでに無人機の商業利用が一部、始まっているが、安全性についての議論が高まりそうだ。

 mujinkijiko 米主要紙であるワシントンポストは、情報公開法を利用して5万点以上の報告書などを入手、無人機の事故に関する情報をまとめた。それによると、2001年以降、アフガニスタンやイラクにおいて400件以上の墜落事故が起こっていることが明らかになった。

 事故原因として多いのは、パイロットの操縦ミス。無人機の多くは、機体に人は乗らないものの、遠隔でパイロットが操縦している。だが遠隔操縦システムでは、パイロットは自身の五感を使うことができないため、緊急時の危険回避能力は実際に乗って操縦するよりも劣るという。また人が乗る機材とは異なり、衝突防止システムなど安全装置が搭載されていないため、墜落が起きやすいという。

 いくつかの事例では無人機そのものに欠陥があった。これも悪天候が重なるケースが多く、悪天候と欠陥の相互作用で電気系統の誤作動を引きこしたとという。また通信が何らかの原因で途絶え、操縦不能になった事例もある。

 もっとも事故が多いのはプレデターという機種だが、同機に事故が多いのは、もっとも普及している機種のひとつであることが大きく関係しているかもしれない。無人機の価格は400万ドルと破格に安く、軍としては多少墜落してもよいという考え方で運用している可能性が高い。事故の数が多くなるのはやむを得ないのかもしれない。

 気になるのは、商業用の無人機が安全かという点である。米国では、市街地ではまだ許可されていないものの、人が少ない地域における無人機の商業利用がすでに始まっている。もちろん商業用の無人機にも墜落リスクは存在するのだが、専門家の多くは十分に克服が可能と見ているようだ。

 今回、報道された事故は2001年からの累計であり、13年も前の事例が含まれている。ここ10年における無人機の技術の進歩はすさまじいものがある。また商用無人機が普及する頃には自動操縦システムが普及している可能性が高い。人工知能の技術の発達で、すでに自動操縦の能力は人のパイロットを上回っているともいわれる。

 自動操縦と衝突回避システムの導入によって、事故はかなり減らせる可能性が高いと考えてよいだろう。もっとも、人による投石や鳥との衝突など、対応すべき課題はたくさん残っている。普及の過程では多くの問題が生じる可能性があるが、このあたりはメリットとの兼ね合いということになるだろう。

 ちなみに日本の場合には、いつものことながらの当局の対応は遅く、商用無人機がそもそも飛行許可されるのか自体が不透明である(農業用などで導入事例は多いが、体系的な法規制は今のところ存在していない)。良くも悪くも日本ではこうした心配は当面、無用である。

 - 経済, IT・科学 ,

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