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米国がとうとう原油の輸出解禁へ。地政学的にも経済的にもインパクトは大きい

 

 米国のオバマ政権がとうとう米国産原油の輸出規制緩和に乗り出した。米紙ウォールストリート・ジャーナルによると、オバマ政権は米テキサス州の石油会社2社に対して、現在は原則として禁止されている国産原油の輸出を許可した。米国が原油の輸出に踏み切ることになれば、地政学的にはもちろんのこと、世界経済にも大きな影響を与えることになる。

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 米国は1970年代のオイルショックを契機に、国産原油の輸出を禁じる措置を40年にわたって継続してきた。だが米国の石油をめぐる状況はここ10年で激変している。
 米国で安価なシェールガス/シェールオイルの開発が進んだことから、米国は世界最大の石油輸入国から、世界最大の石油産出国に変貌しようとしている。近い将来、米国は必要とするすべてのエネルギーを自給できるようになる見込みである。

 そこで急浮上してきたのが原油の輸出解禁である。石油関連企業は、国内で有り余る原油を国外に輸出し、事業を拡大しようとしている。一方、国内の産業界からは、安価な石油は自国産業が有利になるよう活用すべきであり、輸出に回す必要はないとの意見が出ており、議論が続いていた。

 だが世界経済の規模が拡大する中、輸出できるエネルギー源を持っていることは国際交渉において圧倒的に有利であることは明らかである。米国の7分の1の経済規模しかない弱小国家ロシアが、あれほどの振る舞いができるのは、欧州への天然ガス輸出という強力な武器を持っているからである。

 米国は総合的な観点から、従来のエネルギー政策を転換し、原油の輸出に踏み切ったと考えられる。この動きが本格化すると、地政学的にはもちろん、経済的にも極めて大きなインパクトを世界に与えることになる。

 米国は中東の軍事力をアジアにシフトする、いわゆる「リバランス戦略」を進めているが、原油の輸出はこの動きをさらに加速させ、米軍の国内への「引きこもり」を促す可能性がある。

 また、米国はこれまで毎月3兆円以上という巨額の貿易赤字を垂れ流しており、ドル不安のひとつの要因にもなっていた。貿易赤字の主な原因である石油の輸入が減少し、米国がさらに石油を輸出するということになると、米国の貿易収支が劇的に改善する可能性が出てくる。そうなってくるとドル高の流れは今よりもさらに顕著になってくるだろう。

 新興国の経済的な停滞が続く中で、ドル高の傾向が強くなると、新興国における金融的な不安定さはさらに増すことになる。量的緩和策を継続する日本にとっても同様で、円安が加速するリスクを意識する必要が出てくるかもしれない。世界各国は米国を批判しながら、ドルのバラマキ政策の恩恵を受けてきたわけだが、そのメリットを享受することができなくなる日が近づいている。

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