ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

アルゼンチンが再び債務不履行?かつて繁栄を謳歌した先進国も今は昔

 

 2001年に債務不履行を起こしたアルゼンチンに再び債務不履行の恐れが出てきている。ただ、アルゼンチンの国債を購入している投資家は限定されており、市場全体に影響が及ぶとの見方は少ない。かつての先進国アルゼンチンは、もはや債務不履行の常習犯となりつつある。

 Buenos Aires アルゼンチンは2001年に債務不履行に陥ったあと、債務の減額に応じた債権者に対しては利払いを継続している、。だが、債務の減額に応じなかったアメリカの投資ファンドが債務の全額返済を求める裁判を米国内で起こし、裁判所は6月16日、これを支持する判決を出した。

 これによりアルゼンチン政府は、訴えを起こした投資ファンドへの債務返済が完了しない限り、債務の減額に応じた投資家に対する利払いができない状態となっている。
 アルゼンチンは、米国の判決を無視し、利払いの資金を送金したものの、米国の裁判所がこれを認めず、資金はアルゼンチンに戻されている。このままでは利払いが出来ず、アルゼンチンは再び債務不履行(デフォルト)となる可能性が出てきた。アルゼンチン政府は不当だとして、米国に対して抗議している。

 アルゼンチンが2001年に債務不履行に陥った際には、日本も含めてアルゼンチンの国債を購入していた投資家に損失が発生した。だが、アルゼンチンは2001年の危機以降、国際市場で債券を発行できない状態が続いており、新規の投資家は増えていない。仮にデフォルトになったとしても、その影響は限定的だ。

 アルゼンチンは、もはやデフォルとの常習犯となりつつある。2001年のデフォルトの前には、1982年にもデフォルトを起こしており、国際的な金融市場での信用度は低い。ただ同国は、昔からそのような国だったわけではない。

 第二次大戦以前、同国は世界有数の経済大国であり、生活水準は非常に高かった。首都のブエノスアイレスは「南米のパリ」と呼ばれたほどで、世界各国から人が集まり、繁栄を謳歌していた。だが戦後になり、産業構造の転換に失敗、豊かな先進国からデフォルトとインフレに悩まされる途上国へと転落してしまった。

 アルゼンチンの事例は、繁栄を極めた先進国でも、条件が揃えば容易に途上国水準に転落するという厳しい現実を示している。2001年の債務不履行の際には、アルゼンチンの事例について「他山の石」にしようという議論が日本でも盛んだったが、なぜか最近、そのような声は聞こえてこない。

 アルゼンチンの国民は、生活水準が低下し始めても、自国の産業が強固であると頑なに信じ、経済的繁栄が持続することを疑わなかったという。このため、財政再建が遅れ、現在のような債務過剰の状態を招いている。現実が見えなくなってくると、非常に危険であることをアルゼンチンの事例は示している。

 - 経済 ,

  関連記事

toyosuiten
豊洲市場のトータルコストが初めて明らかに。維持管理費は築地の約5倍になる見込み

 東京都は2017年1月25日、移転問題が議論されている豊洲市場に関する収支予想 …

bouekikontena
10~12月GDPはプラス1%。個人消費は横ばいで、状況は大きく変わらず

 内閣府は2017年2月13日、2016年10~12月期のGDP(国内総生産)速 …

hoeness
税金を支払いさえすればOKという、脱税に対するドイツの考え方は正しいか?

 脱税には比較的寛容といわれてきたドイツで、脱税者の処罰をめぐって激論が戦わされ …

taxi
タクシーの規制強化。それは本当に運転手の待遇改善を目的としているのか?

 与党と民主党は、タクシーの台数制限を義務づける「タクシーサービス向上法案」に合 …

softbanksprint
ソフトバンクが買収した米スプリントの業績に改善傾向。黒字化も見えてきた?

 ソフトバンクが216億ドル(約2兆2000億円)をかけて買収した米スプリントの …

euhonbu
土壇場でギリシャ支援を決定。期せずして露呈した「欧州」をめぐる独仏の路線対立

 ユーロ圏各国は2015年7月13日、首脳会議においてギリシャ支援の再開について …

kosobiru
日本の1人あたりGDPは14位を維持。だがこれは円高でかなりお化粧されている

 内閣府は25日、2011年度の国民経済計算確報を発表した。それによると2011 …

tosho05
株価の刻み幅を10銭単位に引き下げ。これってどういう意味があるの?

 日本取引所グループが、株価の刻み幅を現在の10分の1に縮小する方向で検討を始め …

runesasu003
ルネサス救済が正式決定。だが、早くもガバナンス不在の現実が露呈

 経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスは10日、第三者割当増資を実施し …

ecb201506
ドイツと米国の金利が急上昇。金利正常化プロセスなのか市場の混乱か?

 このところ各国の金利が急上昇している。4月中旬にはゼロ%まで近づいたドイツの長 …