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朝鮮総連ビルの売却手続き一時停止は、拉致問題の強力な外交カードとなる?

 

 朝鮮総連中央本部の土地・建物の競売をめぐり、朝鮮総連は売却手続きをいったん停止するための条件である1億円の供託金を納付した。これにより、落札していたマルナカホールディングスへの売却手続きは、最高裁の判断が出るまで停止されることになる。

chousensoren この不動産は、東京都千代田区にあり、長年にわたって朝鮮総連が拠点としてきたほか、実質的な北朝鮮の大使館としても機能してきた。
 だが、2000年から2004年にかけて、在日朝鮮人を主な顧客としていた朝銀信用組合が相次いで破たん。各朝銀信用組合が保有していた朝鮮総連向けの債権約627億円が、整理回収機構に引き継がれた。
 整理回収機構は、債権を回収するため朝鮮総連本部ビルの競売手続きを進めていたが、総連側は競売の執行を阻止すべく、訴訟や仮装売却などを行っていた。

 しかし、2013年2月にとうとう競売が実施され、当初は鹿児島県の宗教法人が約45億円で落札したものの、代金を納付できず購入を断念した。10月の再入札では今度はモンゴル企業が約50億円で落札したが、書類の不備から売却が認められなかった。開札をやり直した結果、次点であった四国の不動産事業者であるマルナカホールディングス(高松市)が最終的に落札した。

 朝鮮総連側は、執行抗告を申し立てたが、東京高裁が今年5月にこれを棄却、総連側が特別抗告などを申し立て、最高裁が1億円の供託金納付を条件に売却手続きをいったん停止することを認める判断を示していた。

 最高裁は司法であり、原理原則として行政側の意向で判断が変わることはあり得ない。だが、今回の売却手続きの一時中断は、高度な政治的判断であるとの声がもっぱらである。

 マルナカによる落札後、日朝政府間協議が1年4ヵ月ぶりに再開され、拉致被害者の調査に関する交渉がスタートしている。今月1日からは、中国において再び協議が行われ、北朝鮮側は拉致被害者の調査を行うために「特別調査委員会」を設置することを確約した。

 北朝鮮にとって、朝鮮総連ビルは非常に重要な拠点であり、これを失うことの影響は大きい。北朝鮮の態度軟化は総連ビルの落札問題が影響している可能性が高く、日本側としては引き続き有力な外交カードとして利用できることになる。

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