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中国共産党が今度は人民解放軍幹部の党籍を剥奪。習氏への権力集中は完成段階に

 

 中国共産党は2014年6月30日、政治局会議を開催し、人民解放軍幹部の徐才厚・元中央軍事委員会副主席の党籍を剥奪することを決定した。党中央では徐氏に収賄行為があったと認定しており、刑事訴追される可能性が高い。このところ、習近平国家主席による権力集中が進んでいるが、これまで手つかずだった人民解放軍にもその影響が及んでいる。

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 徐氏は軍の実力者で、江沢民元国家主席がその後ろ盾といわれる。共産党は徐氏に重大な規律違反の疑いがあるとして調査を実施。地位を利用して部下の昇進に便宜を図り、その見返りに賄賂を受け取ったことが発覚したという。ただこの調査結果を額面通りに受け取る人はいない。一連の汚職摘発は習氏による権力闘争にほかならないからである。

 習氏は中国共産党創設期の幹部で国務院副総理を務めた習仲勲氏の息子であり、高級幹部の子弟を中心とする派閥である「太子党」に属しているといわれている。
 習氏が総書記に就任する当初は、太子党と対立する派閥である、胡錦濤グループ(中国共産主義青年団出身者を出身とする学歴エリート・グループ)との権力闘争が激しかったが、胡錦濤グループは政権移行後、勢力を後退させている。同グループに属する李克強首相は習政権内で指導力を発揮できない状況にある。

 習氏は胡錦濤グループとの権力闘争にメドがつくと、今度は、自身の後ろ盾にもなっていた江沢民元国家主席の影響力排除に乗り出している。江沢民氏の支援によって異例の昇進を遂げた薄煕来氏を汚職で摘発したり、江沢民氏の経済的基盤である鉄道省の解体を実施するなど、矢継ぎ早に手を打っている。

 徐氏の摘発は、習氏の権力闘争がいよいよ最大の利権機構である人民解放軍にも及んできたことを示している。人民解放軍は単なる軍隊ではなく、各地で工場やレストランを経営するなど、巨大な経済利権団体であり、中国の政治に絶大な影響力を持っている。軍に対する一定の発言力を確保することができれば、習氏への権力集中が完成することになる。

 もっとも人民解放軍の掌握は一筋縄ではいかない可能性もある。かつて独裁的な権力を振るった毛沢東氏ですら、人民解放軍の実力者であった林彪氏を排除するのにかなり苦心している。
 習氏は若い頃、当時、失脚していた父親の影響で下放(地方の農村などに強制的に送られること)されており、リベンジしたいという思いが人一倍強かったという。絶対的権力は絶対的に腐敗するといわれるが、習氏への権力集中が中国政治に安定をもたらすのか、その逆であるのかは、今のところ誰にも分からない。

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