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税収上振れで1兆5000億円近い剰余金。使い道をめぐって攻防が激化?

 

 財務省は2014年7月3日、2013年度決算概要を発表した。それによると、一般会計の税収は46兆9529億円となり、当初予算を大幅に上回った。最終的には1兆4493億円の剰余金が発生することになるが、法人減税の財源に関する議論がスタートした直後だけに、剰余金をめぐる駆け引きが活発化しそうだ。

 mof02 税収が増えた最大要因は企業の収益改善で法人税が想定よりも上振れしたこと。
 法人税は当初予算の段階では8兆7140億円、補正予算の段階でも10兆650億円と見積もっていた。だが実際には、補正予算からは4287億円、当初予算からは1兆7797兆円も上振れ、10兆4937億円となった。このほか所得税も当初予算から1兆6328億円上回り15兆5308億円となった。

 当初予算から税収が大幅に増えたのは、企業決算が予想以上に好調だったという理由もあるが、ある程度は、財務省の筋書きでもある。財務省は傘下に国税庁を抱えており、企業の収益動向を直接情報収集する手段を持っている。また各種の統計もまとめており、各年度の企業収益をかなり正確に予測することができる。

 財務省の最優先課題は政府債務の削減であり、各年度の予算では、できるだけ支出を引き締めたいと考えている。このため、基本的に税収の見積もりは厳しめに出してくることがほとんどである。また永田町との駆け引きという点においても、補正予算の財源や減税の財源としてのカードに使えるというメリットがある。

 現在、政府では法人税の減税に関する議論が進んでいる。来年度から段階的に法人税を引き下げることは確定しているが、税収不足を補うための財源については、これから具体的な調整に入る段階だ。

 主な財源としては、租税特別措置の見直しや赤字法人への課税、中小企業優遇税制の見直しなどが検討されている。ただ増税となる法人からの反発は強く、調整は難航するとみられている。剰余金をすべて財源に充てることができれば、他の増税は最小限で済むことから、法人減税の財源に回すという議論が高まってくる可能性が高い。

 一方、財政再建という観点で考えれば、剰余金は国債の償還に回すべきという考え方も当然出てくるだろう。予想外の剰余金なのか、予定された剰余金なのかはともかくとして、1兆4500億円の使い道をめぐる攻防が活発化することになりそうだ。

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