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5月の機械受注は大幅減。民間は資金を遊ばせており、官需依存がさらに高まる

 

 内閣府は2014年7月10日、5月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は前月比でマイナス19.5%と大幅な減少となった。内閣府では基調判断を「増加傾向にある」から「増加傾向に足踏みがみられる」に変更している。

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 3月は期末ということもあり19%という大きな伸びを示していたが、4月はその反動でマイナス9.1%となっていた。今月の数値が元に戻れば、設備投資の増加傾向が維持されていると判断されるところっだが、予想に反して大幅なマイナスとなってしまった。移動平均を考えると、下落トレンドに転換してしまったようにも見える。

 機械受注は民間設備投資の先行指標といわれており、関係者の注目度が高い。昨年から今年の初めにかけては大型の公共事業が続いていたこともあり、非製造業の設備投資が顕著であった。
 一方、製造業の設備投資は工場の国外移転もあり、冴えない状況が続いていたが、このところ製造業が回復する兆候も見られていた。だが5月については製造業が18.6%減、非製造業が17.8%減とどちらも大幅なマイナスとなった。

 今後の設備投資がどうなるのは、来月以降の数字を見なければ分からないが、気になるのは官需への依存度が上がっていることである。
 4月の機械受注では、官公庁からの受注は40%増と非常に活発だっだ。5月についても官需はプラス22%となっており、唯一プラスを維持している。このところの設備投資は完全に政府支出頼みである。

 安倍政権では消費税対策として、今年度の公共事業を前倒し発注することを決定している。建設会社の請負金額は、新年度に入って前年同月比で10%増となっており、前倒しの効果が出始めている。少なくとも年度の前半は活発な公共事業が続く。
 だが、公共事業への過度な依存は、深刻な人手不足を生み出している。これ以上の公共事業拡大は、人員確保の点から難しく、公共事業一本で、今後の景気を維持することは困難である。

 2014年3月期決算における日本企業の内部留保は304兆円となり、過去最高を記録した。内部留保が適切に収益資産に転換しているのであれば問題ないが、企業は現預金も同様に積み上げている。同決算期の現預金総額は150兆円を超えており、有効な使い道が見つからないままだ。民間企業の資金が有効活用され、市中に回り始める状況にはまだ至っていない。

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