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中国当局が国営放送を使って中国銀行の海外送金サービスを糾弾している背景

 

 中国の国営放送局である中国中央テレビ(CCTV)が、中国有数の銀行である中国銀行について、富裕層向けに不正海外送金のサービスを行っていると批判している。当局からの指示である可能性が高いが、中国銀行のような国策金融機関を批判するのは極めて異例。

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 CCTVは2014年7月9日、中国銀行が不正に海外送金を行うサービスを提供していると報じた。このサービスは海外移住者向けのもので、一旦申し込むとそれ以降の海外送金が実質的に無制限で実施できるというもの。

 中国では資金の国外送金は厳しく規制されていたが、2011年に規制緩和が行われ、移住や海外の不動産購入が目的であれば、年間5万ドルまで許可されるようになった。しかし、国内で得た資金を国外に逃がしておこうという人が後を絶たず、中国当局は頭を悩ませている。

 以前はこうした資金の海外流出は共産党幹部など、特権階級に限定されていた。庶民はそもそもそうした大金を手にするチャンスがなく、あったとしても、不正に国外に資金を持ち出す手段がなかったからである。
 だが最近は中国の経済的な発達によって、特権階級以外の人でも、それなりの資産を築く人が出てきた。こうした人々の中には、米国など安全な地域に資産を移しておきたいと考える人が一定数存在する。米国の永住権取得プログラムには、多数の中国人が殺到し、処理が滞っている状態だという。

 中国銀行のサービスもこうした人たちに向けて提供されているものである。このサービスは表立っては宣伝していないものの、個別に問い合わせると銀行側がサービスの説明をしてくれるという。中国銀行側では、あくまで合法的なサービスであるとしており、主張は真っ向から対立している。

 CCTVは国営放送局であり、当局の意向を無視して、国策金融機関を批判することは考えられない。今回の批判記事は中国当局の意向である可能性が高い。
 一方、本当このサービスが100%違法であり、当局が禁止しようと思っているのであれば、中国銀行に指示すればよいだけの話である。そのようにはしていないところを見ると、サービス自体は合法であるという中国銀行の反論は正しいのかもしれない。

 中国は現在、米国の金利上昇に伴って、中国から米国などの大量の資金が流出することを懸念している。CCTVによる批判は、こうしたサービスを活用しないよう国民を萎縮させるのが狙いとの見方も出ている。

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