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中国が南シナ海での石油掘削装置を撤去。中国の態度軟化は一時的の見方

 

 中国が南シナ海に設置を強行し、アジア太平洋地域に緊張をもたらす原因になっていた石油掘削装置が撤収された。装置の設置に激しく反発していたベトナムとの対立はとりあえず緩和されることになるが、中国がこの地域において融和的な姿勢に転じたのかは不明だ。

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 中国政府は2014年7月16日、南シナ海の西沙諸島における資源探査活動を終了したと発表した。ベトナム政府も採掘装置の撤収が行われたことを確認している。現在、掘削装置はベトナムが主張する排他的経済水域の外に移動している。

 先月は中国の外交トップである楊潔チ国務委員がベトナムを訪問し、「西沙諸島は中国固有の領土であり、中国は主権と海洋権益を維持するために必要な措置を講じていく」と発言していた。強行な発言の後に突然態度を軟化させた背景には、米国との関係を指摘する声がある。

  今月、米中両国は、安全保障問題や経済問題について話し合う6回目の米中戦略・経済対話を行った。今回の交渉では、米国のケリー国務長官が、「あらたな大国関係が明確に定義されたわけではない」と発言するなど、アジア太平洋地域における米中の役割分担について、両国のスレ違いが目立った。

 米国は、中国が東シナ海で防空識別圏を突然設定したことや、南シナ海において周辺諸国との緊張関係を高めていることについて懸念を表明している。米中戦略対話でも当然、この話題は議論されており、中国側が米国側の意向を受けて態度を軟化させた可能性は高い。

 ただ、このことが恒久的な中国の外交姿勢の変更にはつながらないとの見方が大半だ。掘削作業を行っていた中国石油天然気集団(CNPC)は、得られたデータを元に、この海域で商業的な石油採掘が可能であるかを検討している。もし商業的な採掘が可能と判断されれば、中国は再び、採掘装置を建設する可能性が高い。

 というよりも、中国当局が外交上必要と判断すれば、採算のレベルに関わらず、本格的な採掘を実施することになる。今回の掘削装置の撤収は、採掘企業によるデータの分析をタテマエにした、外交上の時間稼ぎということになる。少なくとも、当面の間は、中国は態度を軟化させ、周辺国や米国の出方を探ることになるだろう。

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