ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ミャンマーでタイのタクシン元首相の暗殺計画が浮上。タイと日本の共通点を考える

 

 ミャンマーへ訪問する予定だった亡命中のタイのタクシン元首相は6日、ミャンマーでの暗殺計画が懸念されるとして、ミャンマーへの訪問日程を急遽変更した。タイとの国境付近でタイの支持者と会う予定だったが、ミャンマーのテイン・セイン大統領との会談のみを行い、ミャンマーを離れるという。

 タクシン元首相は、前政権のアピシット首相との権力闘争に敗れ、首相の座を追われた。帰国すれば汚職の罪で逮捕される状況にあり、現在は英国に亡命している。
 現政権のインラック首相(かなりの美女)はタクシン氏の妹だが、国内の敵対勢力の影響が強く、帰国を実現できていない。

 タイの政治構造は日本とよく似ている。アピシット氏が所属するタイ民主党は、官僚や軍、政府に近い大企業を中心にしたいわゆる既得権益エリート層が主な支持基盤。タイも官僚の権力が強い国なのである。
 これに対してインラック首相やタクシン氏が率いるタイ貢献党は、地方の低所得者層が支持基盤となっている。タクシン氏は警察官僚をやめ、事業を興して億万長者になったカリスマであり、地方の庶民からの絶大な支持がある。

 タクシン政権による改革は、官僚と政府系の大企業の特権に切り込む、いわば構造改革であり、既得権益層が猛反発している。タクシン氏が汚職の罪で帰国できない事情にはこのような背景がある。反タクシン派としては、何としてもタクシン氏を排除したいと考えており、今回の暗殺計画もこの延長戦上にある。

 もっとも実際に暗殺計画を立てていたのか、タクシン側が被害者であることをアピールするために自作自演したのか真実は明らかではない。
 いずれにせよ、タイの政治動向は、強大な官僚機構と国民の対立構造が鮮明化しつつある日本の政治動向を考える上でも非常に参考になる。今後もタクシン氏の動向には要注目である。

 - 政治, 社会

  関連記事

asukuru
アスクルの火災。経営への影響は限定的だが,今後のサービス競争では不利に

 火災が続いていたアスクルの物流倉庫がようやく鎮火した。現時点において、事故の原 …

shukinpei06
習近平氏がダメ押しで胡錦濤氏の側近を粛正。習氏への権力集中は完成に近づく

 中国の習近平国家主席が、胡錦濤前国家主席の側近である令計画氏の排除に動き始めた …

doitsushoibure
ドイツがとうとう国債の新規発行がゼロに。日本は何を学ぶべきか

 ドイツのショイブレ財務相は2014年9月9日、ドイツ連邦政府の2015年度予算 …

costabranka
キプロスの金融危機があぶりだす、欧州の裏資金ルートの実態

 キプロスが、ユーロ圏からの金融支援と引き換えに、銀行の大口預金をカットするなど …

airasiasuchi
今話題のLCC(格安航空会社)に思った程安くないとの声が。その理由とは?

 全日空系のLCC(格安航空会社)であるエアアジアジャパンは、10日、LCCとし …

singurumaza
子供の貧困が改善したのは、政府による貧困対策の結果ではない?

 子供の貧困がわずかだが改善している。だが先進各国との比較では、依然として日本の …

mosado
イスラエルの諜報機関モサドが「ネット」で人材募集。スパイ組織が公募に踏み切る事情

 かつては世界最強ともいわれたイスラエルの諜報機関「モサド」がスパイの募集を開始 …

onodera01
小野寺防衛相が国際会議において「右傾化は誤解」と異例の説明

 シンガポールで開催されているアジア安全保障会議に出席した小野寺防衛大臣は講演を …

myanmer02
民主化に逆行?ミャンマーで仏教徒女性の異教徒との結婚を制限する法案が波紋を呼ぶ

 民主化と経済開放が続くミャンマーで、議会に提出が予定されているある法案をめぐっ …

sinkaihou
中国当局による記者拘束にメディアが抗議。党中央が容認した出来レースとの見方も

 中国・広東省の日刊紙「新快報」の記者が公安当局の拘束されたことに抗議し、同紙は …