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マネーゲームの末、高級スーパー成城石井はローソンへ。相乗効果は未知数

 

 コンビニ大手のローソンが、首都圏を中心に高級スーパーを展開する成城石井を買収する。現在、同社を保有する投資ファンド「丸の内キャピタル」と詰めの交渉を行っており、近く最終決定される予定。

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 成城石井は、その名前が示すように、東京・世田谷の高級住宅地・成城からスタートした高級スーパー。現在は富裕層エリアだけでなく、駅構内などにも出店エリアを広げており、すでに120店舗を構えるまでになっている。
 大衆路線への転換で、かつての高級イメージはだいぶ薄れているが、それでも成城石井のブランド力は健在であり、そうであるが故に、同社は恰好のマネーゲームの対象となってきた。

 2004年に焼き肉チェーンの「牛角」で知られるレックス・ホールディングスが65億円で買収した。レックスはコンビニ・チェーンであるエーエム・ピーエム・ジャパンも買収しており、高級スーパーとコンビニの相乗効果を狙う戦略を描いていた。

 だがレックスは、突如経営方針を転換、牛角に資源を集中することになり、成城石井は三菱商事系の丸の内キャピタルに売却されることになった。推定の買収価格は400億円である。

 丸の内キャピタルが成城石井を売り出すにあたっては、三越伊勢丹ホールディングスも買収に意欲を見せていたといわれるが、結局買収は断念した模様。結果的には、三菱商事系のファンドから同じく三菱商事系のコンビニというグループ内転売という形で落ち着いた。丸の内キャピタルは100億円の利益を得られる見通し。

 ローソンは、かつてのレックスと同様、コンビニと高級スーパーの組み合わせで相乗効果を狙う戦略と考えられる。高級店のブランドイメージは、多店舗展開をすればするほど薄れてくる。ローソンは、高級店と大衆点の中間地点のポジションを狙ってくる可能性が高いが、相乗効果があるのかは未知数だ。
 もっともローソンは、成城石井以外にも、三越伊勢丹ホールディングス傘下の高級スーパー「クイーンズ伊勢丹」の買収も検討しており、高級スーパー事業に対する本気度は高い。

 同社は、サントリーに転じた前CEOの新浪剛史氏に代わって、かつてユニクロの社長を務めたこともある玉塚元一氏がトップに就任したばかり。玉塚氏はまだ経営者としては実績をあげておらず、今回の高級スーパー進出が、玉塚氏の実力を見せるよい機会となりそうだ。

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