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今頃になってようやく株主総会分散開催を経産省が指導。だがとっくに手遅れ?

 

 経済産業省が、6月に集中している株主総会を7月以降などに分散して開催するよう促す方針を固めた。日経新聞によると、近く有識者会議を設け、7月以降にも開催できることなどを示していくという。

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 現在、上場企業の株主総会は6月下旬に集中しており、機関投資家から議案を十分吟味できないという不満の声が高まっていた。また、こうした総会日程が外国人投資家の日本進出の妨げになっているという指摘も出ていた。
 安倍政権が6月にまとめた新成長戦略には、株主総会の開催日について、国際的な状況を踏まえて検討するという内容が盛り込まれており、今回の措置はこれを受けた動きである。

 だが、もともとは総会屋対策と称して、官民挙げて、わざわざ株主総会を集中させてきたというのがこれまでの経緯である。
 株主総会に参加させる人数を少なくしようという行為は、株式会社の本質からして自殺行為であるという一部の良識的な指摘は、「総会屋はケシカラン」というヒステリックな声の前にかき消され、開催日の集中は強行された。
 このほか、同時に一定の株数を持っていないと議決権を行使できないという単位株制度など、株主が権利を行使することを妨害する施策が続いてきた。

 株主の権利を十分に行使できないような会社にまともな投資家が投資するはずがない。このような愚策を繰り返した結果、日本市場は世界の投資家から見放され、現在では、短期的な利ざや稼ぎを目的とした外国人投資家が取引の7割を占めるという末期的状況となっている。

 今頃になって日本市場の荒れ果てた状況に焦り、総会集中をやめるよう指導を開始したというのが現実の姿である。総会屋に対して毅然とした態度を取れず、物理的に参加できないようにしてスキャンダルにフタをするという日本企業のサラリーマン的体質と、それを後押しした政府の責任はあまりにも重い。

 30年もの時間をかけて失い続けた市場の信頼を取り戻すのは容易ではない。今回の決定はもちろん歓迎すべきことではあるが、スタート地点にすらまだ立っていないという現実を決して忘れてはならないだろう。

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