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日本産ワインのブランド力強化法案は効果を発揮するのか?

 

 国産ワインのブランド力を強化するため、自民党が「ワイン法案」について検討している。国産ブドウを原料とするワインが一定の基準を満たせば、国が産地を認定し品質を証明する。来年の通常国会での提出を目指すという。

wine02 現在、日本にはワインの産地や品質の証明に特化した法律はなく、海外に輸出する上で、ブランド力に欠けるとの指摘が出ているという。

 確かにワイン大国であるフランスには、AOC(原産地呼称統制)と呼ばれる法律で定められた厳格な基準が存在し、これを満たしたワインだけが、そのブランド名を名乗れる仕組みになっている。フランス産ワインが世界標準になる過程において、AOCが大きな役割を果たしたことは事実である。

 だが、同じような原産地呼称統制を日本のワインに適用することが、日本産ワインのブランド力強化につながるのかは微妙なところである。

 まず世界的な流れとして、こうした政府による認定よりも、民間の評価機関やジャーナリストなどによる独自の格付けが重視される方向性にあり、以前ほど政府による認定が市場では評価されなくなっている。著名な評論家に高い得点を付けてもらえるための工夫をする方が、圧倒的に高い評価を得られる可能性があるのだ。
 また基準の内容をどうするのかも非常に難しい。基準の設定方法を間違えると逆にブランド力を落とすきっかけにもなりかねない。

 国際的なワインの品質に関する評価基準は、フランス政府が策定した原産呼称統制がベースになっており、これは一種のグローバルスタンダードといってもよい存在である。

 だがグローバル基準で評価の高いぶどうの品種は、日本での栽培にはあまり適しておらず。日本産ワインは国際的に見ると特殊なぶどうを使わざるをえない状況となっている。
 ここでグローバル基準に近い基準を設定してしまうと、逆に国際的な評価を落とすリスクがある一方、日本ワイン独自の基準を前面に押し出し過ぎると、今度は国際的な評価を得にくくなる可能性がある。

 現在、新興国を中心に、格付けや政府の品質保証とはまったく無縁でありながら、安価で極めて高い品質を持つワインが次々に登場している。
 品質向上のための法整備そのものは評価すべきだが、同時に、市場メカニズムをうまく活用した販売促進の方法について模索することがより重要である。また、こうした認定制度が官僚の利権にならないための工夫も必要となるだろう。

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