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ソニーが相次いでリストラ策。だが今後の戦略についてはいまだ不透明

 

 業績低迷が続くソニーが、相次いでリストラ策を打ち出している。個々の施策はそれなりに効果のあるものだが、肝心の経営戦略については模索が続いている。

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 同社は2014年7月28日、同社が保有する東京都港区の土地を、連結子会社であるソニー生命に売却すると発表した。売却金額は528億円だという。
 本体のスリム化を狙ったものと考えられるが、グループ内の売買なので帳簿上の付け替えに過ぎず、本社に売却後のキャッシュが入ることくらいしかメリットはない。
 同社には約1兆円のキャッシュがあり、特に資金繰りに窮しているわけではないことを考えると、本社の土地にも手を付けたという事実で、社員の危機感を喚起するという目的があるのかもしれない。あるいは同社に売却益が出た場合には、リストラ費用と相殺することで、見かけ上の業績を向上させる効果を狙っている可能性もある。いずれにせよ抜本的な対策ではなく、数あるリストラ策のひとつということになる。

 ちなみに同社は品川区にあるかつての本社ビルやニューヨークにある米本社ビルの売却も行っている。余分な不動産は持たず本業に集中するという体制へのシフトは進んでいる。

 同社は全世界的に人員整理も行っており、約1350億円をかけて、国内外で5000人を削減する計画である。国内では8月1日から本社管理部門において早期優遇退職の募集を開始する予定。今期中に国内では1500人を削減する方針だという。

 すでに同社はパソコン部門のファンドへの売却を完了している。同事業に従事していた社員1100人のうち、約4割はすでに退職しており、新会社に移籍したのはわずか240人である。残りはグループ会社などに配置転換している。
 リストラを進める一方、同社は、年功序列ではなく、役割に基づいて給与を決定する新しい人事制度の導入も進めている。新しいビジネスの企画や新商品の開発で結果を出せば、20代で管理職に登用されることもあるという。

 事業のリストラクチャリングを成功させるためには、出血を止めるという措置と、新しいビジネス・モデルを確立するという措置を同時に進めていく必要がある。
 一連の施策は、それなりに効果のあるものであり、出血を止めるという部分での対応は着実に進展していることが分かる。だが新しい稼ぎ方を構築するという、もっとも重要な部分については、同社はまだ明確な方向性を打ち出せていない。

 同社は今期も赤字決算となることをすでに明らかにしているので、多少の時間的猶予がある。だが今年の後半までに、新しいソニーのビジネスモデルが提示できなければ、米国分社化も含めて、投資家からの圧力は一気に高まってくるだろう。

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