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家計の消費支出は3カ月連続でマイナス。安倍政権は10%増税をどう判断するのか?

 

 総務省は2014年7月29日、6月の家計調査を発表した。2人以上の世帯の消費支出は27万2791円となり、物価変動の影響を除いた実質では、前年同月比で3.0%減少した。減少は3カ月連続。

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 4月の家計調査では、消費支出が前年同月比でマイナス4.6%となり、駆け込み需要の反動が顕在化した。
 5月以降は持ち直すかと思われていたが、消費の力は予想外に弱く、5月の消費支出はマイナス8.0%と4月をさらに下回った。6月もマイナス3.0%であった。

 1989年の消費税導入時や1997年の3%から5%への税率引き上げ時にも、駆け込み需要とその反動があったが、今回と比較すれば、影響は軽微であった。このまま消費が回復しないことになると、GDPの数値にもマイナスの影響が出てくる可能性がある。

 増税による消費の落ち込みをもっとも気にしているのは官邸かもしれない。今年の秋から冬にかけて、消費税の10%増税を決断する必要があり、この決断は安倍政権が長期政権を実現できるかどうかのカギを握っている。

 来年春には統一地方選挙があり、安倍首相は、その後解散に踏み切るとの噂がある。2016年には参議院選挙と衆議院の任期満了が重なっており、解散のタイミングとしては来年秋が最適と考えられているからだ。だが、消費増税による消費の落ち込みが激しくなっている中で10%への増税を決めるのは、選挙にマイナスの影響を与えてしまう。
 政権内部からは増税見送りの声がちらほらと聞こえてくるようになってきており、場合によっては政治的判断で増税見送りという可能性は十分に考えられるだろう。

 ただ、景気対策最優先で全体が一致しているのかというと、そういうわけでもない。一時期は日銀の追加緩和を求める声が強かったが、今のところ目立った動きはない。4月以降の消費の落ち込みはかなり激しいものなのだが、政治の世界では、意外なほど凪の状態が続いている。

 - 政治, 経済 ,

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