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ソフトバンクによるTモバイル買収が白紙に。時間をかけて再度買収を画策か?

 

 ソフトバンクの子会社で米携帯電話3位のスプリントは、TモバイルUSの買収を断念した。スプリントに続いてTモバイルUSを買収し、上位2社に対抗するというソフトバンクの北米戦略は見直しを迫られることになった。

 sonmasayosi ソフトバンクは2013年7月、216億ドル(約2兆2000億円)を投じて、米国第3位の携帯電話会社スプリントを買収した。同社は米国第4位のTモバイルUSの買収を目指していた。

 現在米国の携帯電話市場は大手4社がシェア争いを行っている状況だが、上位2社のシェアが極めて大きいという特徴がある。
 1位のAT&Aは1億人近くの利用者を抱 えており、シェアは約32%、2位のベライゾンもほぼ同規模で30%強のシェアとなっている。一方ソフトバンクが買収したスプリントのシェアは16%程度 であり、13%程度のシェアを持つTモバイルUSを買収してはじめて上位2社と互角に戦うことができる。

 スプリントは巨額の赤字を垂れ流している状況だったが、ソフトバンクによる買収後は徐々に業績が回復してきている。またソフトバン ク本体は1兆円を超える営業利益を確保しているほか、中国の電子商取引大手アリババの米国上場で、同社には4兆円の含み益が発生する見込みである。財務問題もクリアした同社にとって最大の障壁は、買収に慎重な米当局のスタンスであった。

 ソフトバンクの孫正義社長は、何度もワシントンを訪問し、「業界を再編することが通信環境の向上と価格の下落につながる」と力説した。米国市場では上位2社の影響力が強く、価格は高めに設定されている。孫氏が主張するように、上位3社体制になれば、利用料金の低下が進む可能性がある。
 ただ、米連邦通信委員会(FCC)と司法省は寡占化に対する警戒感が強く、結果として当局の慎重姿勢を変えることはできなかった。

 ただ、孫社長はTモバイルUSの買収はまだ諦めていないという報道もある。スプリントの業績が底を打ったことや財務体質が盤石であることから、ソフトバンクには時間的余裕がある。スプリントの経営立て直しを進めながら、時間をかけて再度、TモバイルUSの買収交渉を進めるという選択肢も残されている。

 TモバイルUSの買収で、一気に北米市場でのメジャープレイヤーになるというシナリオは崩れた。だが、同社の主戦場が今後も北米市場であるという基本路線に大きな変更はないだろう。

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