ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

ステルス戦闘機の部品製造に日本企業が参入可能に。だが防衛産業の台所事情は苦しい

 

 政府は航空自衛隊の次期主力戦闘機として導入する米ロッキード・マーティン社製のステルス戦闘機F-35ついて、部品製造への国内メーカー参加を認める方針を固めた。8日の読売新聞が報じている。

 国内メーカーが海外の武器メーカーに部品を提供することは、これまで武器輸出3原則に反するととして禁止されていた。だが、昨年12月に武器輸出三原則の緩和が決定されており、今回の決定はこれを適用した初の事例となる。

 日本では三菱重工などが中心となって国産戦闘機F-2を製造してきた(厳密には米国からの横槍が入り、米国のF-16をベースにした国内開発)。だがF-2は昨年10月に生産を終了しており、生産ラインは撤収されている。

 防衛省はF-2に続く国産戦闘機としてF-3を計画しているが、財政緊縮の要求が厳しい中、プロジェクトは進んでいない。関連メーカーの中には戦闘機ビジネスから撤退するところも出てきており、生産が途絶えることによる技術の劣化が指摘されていた。

 防衛省はもともと米国の最新鋭ステルス戦闘機であるF-22の導入を希望していたが「現在のことろ文句なく世界最強」(軍事ジャーナリスト)といわれるF-22を日本に対して提供することを望まず、その代わりに開発が難航しているF-35の購入を持ちかけられた経緯がある。
 日本側はF-35を購入する条件として、最大4割程度、部品製造に参画できる権利を確保しており、今回はこれを活用する。ひとまず、F35の部品製造に参画することで、メーカー側は首の皮がつながった格好だ。

 一部では、F-3計画が2016年にもスタートするという報道がされているが、現状は「将来の戦闘機に関する研究開発ビジョン」というプランが防衛省から出ているだけで、予算措置が取られているわけではない。

 実は、こういった問題は日本だけにとどまらない。肥大化した財政の建て直しは世界的な課題である。最大の軍事大国である米国も過去に前例のない大幅な軍事予算のカットを決めており、米国の防衛産業各社は諸外国への輸出に活路を見出そうとしている。英国の防衛大手であるBAEシステムがEADS(エアバスの親会社)との合併を計画したのも同じ流れからだ(合併自体はドイツの反対で頓挫した)。

 武器輸出3原則の緩和で海外に活路を見出したい日本の防衛産業だが、周辺には同じことを考えている巨大ライバル企業がひしめいている。防衛産業の衰退は世界的な流れなのである。先行きはかなり暗いといってよい。

 - 政治

  関連記事

tokyowan
GDPギャップは依然マイナスのまま。供給過剰な状態は本当に一時的なものなのか?

 内閣府は8月22日、4~6月期におけるGDPギャップがマイナス1.9%になった …

googlemusume
Google会長の娘が北朝鮮訪問記を公開。だが北朝鮮の光景は日本にも通じるものだった

  北朝鮮を電撃訪問したインターネット検索最大手グーグルのシュミット会長の娘であ …

asean
ASEAN首脳会議。議長国カンボジアが中国に遠慮し領有権問題を文面から勝手に削除

 カンボジアのプノンペンで開かれている東南アジア諸国連合(ASEAN)首脳会議に …

saitengai2
崔天凱駐米中国大使が、尖閣問題で中国寄りの対応をするよう米国に要請

 尖閣諸島問題をめぐる小野寺防衛大臣の発言に対して、崔天凱駐米中国大使が強い口調 …

businessman02
平均給与は何と24年前と同水準。日本がひたらすら生産性を下げてきた理由は雇用維持

 アベノミクスで賃上げが期待されているが、足元ではまだまだ賃金減少が続いている。 …

merukeru03
ドイツの輸出超過に批判の声が高まる。だがこれはEUの自己矛盾を露呈しかねない

 好調な経済を背景に、欧州経済を支えてきたドイツに対して批判の声が高まっている。 …

taiwanshobancho
10年以内に台湾問題を解決するとも取れる、習近平主席による注目発言の背景とは

 中国が台湾の統一工作に積極的に乗り出している。APEC(アジア太平洋経済協力会 …

netaniyafu
イスラエルがシリアを空爆。オバマ政権二期目を前に、ネタニヤフ首相が先制パンチ

 シリアの国営通信は1月30日、同国の首都ダマスカス近郊にある軍の科学研究施設が …

naikakukaizou201409
内閣改造、人事のポイントは派閥力学。政策面ではTPPと株価維持

 安倍首相は2014年9月3日、内閣改造と党役員人事を行った。直前に石破氏が幹事 …

romarosiakaidan
ローマ法王とロシア正教トップが1000年ぶりの会談。米国とロシアの仲介が狙い?

 カトリック教会のフランシスコ法王は2016年2月12日、ロシア正教会のトップで …