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ウクライナ情勢への懸念から米国への資金流出が続く。プーチン政権には打撃

 

 欧州景気に対する不透明感とウクライナ情勢への懸念から、投資資金が欧州から米国に流出している。米国の長期金利は低下が続いており、先週には2.4%を切った。全体としては落ち着いた状況だが、欧州からの資金引き上げは、プーチン政権にとって打撃となる可能性がある。

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 年初には3%を超えていた米国の長期金利は先週、とうとう2.4%を切った。基本的には米国の潜在成長率の低下を見込んだ動きだが、このところの金利急低下は、資金が欧州から米国に移動し、安全資産である国債に流れていることを示唆している。

 欧州の株式市場はウクライナ市場が悪化した7月以降、下落基調となっているが、それほどの混乱は見られない。だが、欧州からの資金流出が今後も続くようであれば、実体経済に対してもその影響がじわじわと及んでくるだろう。

 特に影響が大きいといわれているのが、当事者のロシアである。ロシアはプーチン大統領に近い財閥グループが国内の政治と経済に対して大きな影響力を持っている。独裁的なイメージの強いプーチン氏だが、彼等の意向を無視して政権を運営することは難しい。

 欧米各国がロシアに対して経済制裁を実施していることから、ロシアからの資金流出が続いており、ロシアの財閥各社にも影響が及んでいる。だが、ロシアから欧州への資金流出にとどまっている間はそれほど大きな問題にはならない。

 それは、ロシアの財閥の多くが、ドイツや英国など欧州市場で資金運用を行っているからである。だが、ウクライナ情勢の余波が欧州市場全体に及んでくるようになると、ロシアの財閥にも大きな影響が出てくる。最悪の場合には、プーチン政権の支持基盤が揺らぐ可能性もある。

 プーチン大統領としては、欧米各国と何とか妥協点を見出したいところであり、今後しばらくは双方の探り合いが続く可能性が高い。

 欧州中央銀行はすでにマイナス金利を導入しており、量的緩和の実施には消極的といわれる。当分の間、金融政策は現状維持となる可能性が高く、そうなると、米国債への資金流入もしばらくは継続することになる。年後半の世界経済は不透明な状況が続くことになるかもしれない。

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