ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

政権幹部から景気に対する慎重な見方が相次ぐ。消費増税の影響は予想より大きい?

 

 安倍政権幹部から、景気の先行きに対する慎重な発言が目立っている。甘利経財相が「デフレ脱却宣言は時期尚早」と述べたのに続いて、麻生財務相は「企業はそう簡単に借り入れを増やせる状況にはない」との見解を示した。消費増税の影響が思いのほか大きく、政府が慎重姿勢に転じている可能性がある。

aso03 甘利経財相の発言は、2014年8月13日に発表された4~6月期の実質GDPの数字を受けたもの。4~6月期の数字がマイナス1.7%(年率換算ではマイナス6.8%)と大きく落ち込んだ直接の原因は、消費増税の駆け込み需要に対する反動である。

 1~3月期の数字はプラス1.5%だったことを考えれば、最終的に景気がどうなっているのかを判断するには、7~9月期の数字を見る必要がある。甘利氏は7~9月期について「急回復する」との発言も行っているが、今後も順調に物価が上昇するというところまでは踏み込めずにいるようだ。

 一方、麻生氏は、このところ金利が急低下していることについて、「国債を大量に発行すれば長期金利が上がるという常識は通用しない」と述べ、その理由として企業の慎重姿勢をあげた。
 麻生氏が指摘するように、中小企業の経営者は、個人保証を入れ、自身の家を担保に借金をしており「雇われのサラリーマンとは状況が異なる」(麻生氏)。多少景気が回復してきたという感覚があっても、容易に融資を増やすことはないだろう。

 ただ現実には、企業の業績が経営者自身の生活には直結しない大企業も同じ行動を取っている。日本の企業は、大企業を中心に300兆円ほどの内部留保を抱えている。だが、目立った投資先が国内にはなく、資金を余らせている状況が続く。

 今年の春闘では賃上げが実施されたが、消費増税や物価上昇を考えると、実質的な賃金は下落している可能性が高い。先行きが不透明な状況において、企業がこれ以上の賃上げを実施する可能性は低く、消費の回復力は弱いままだろう。

 政権幹部が相次いで慎重な発言を行っているということは、政府が年後半から来年にかけての景気見通しについて、軌道修正を始めている可能性がある。景気は回復しているという基本姿勢は変わらないだろうが、その表現は抑制されたものになってくるかもしれない。

 - 政治, 経済 , ,

  関連記事

no image
資産家夫婦殺害事件とJASDAQ粉飾疑惑企業を結びつける点と線

 スイス在住で日本に一時帰国していた資産家夫婦が行方不明になっている事件で、2人 …

samittoabe
週内にも消費税再延期を表明。日本の財政はまさに「異次元」のフェーズに突入

 安倍首相は、来年4月に予定していた消費税10%への引き上げを再延期する方向で調 …

facebookmobile
フェイスブックの3Q決算はまずまず。今後は成長投資の加速で経費は増大

 SNS最大手の米フェイスブックは2014年10月28日、2014年7~9月期の …

bhutan
「幸せの国ブータン」で初の政権交代。理想は大事だが、識字率50%という現実は重い

 ヒマラヤの山中に位置する王国ブータンで7月13日、国民議会(下院)の選挙が行わ …

gwcvn73
握手と蹴り合い。防空識別圏をめぐる単純ではない米中交渉の行方

 米国のバイデン副大統領は日本訪問に引き続いて、12月4日から中国を訪問する。中 …

obamatennengas
オバマ大統領が2020年までに米国は天然ガスの純輸出国になるとの見通しを明らかに

 メキシコなど中米諸国を歴訪したオバマ米大統領は5月4日、コスタリカで開催された …

e6kei
新幹線がさらにスピードアップ。だが高速化はそろそろ限界に達しつつある

 JR東日本は21日、来年3月のダイヤ改正を発表した。東北新幹線の「はやぶさ」が …

no image
企業の倒産件数が激減。だがそれは、銀行のあたらな時限爆弾に過ぎない

 銀行の過剰な国債保有が懸念されている中、銀行のあたらたな時限爆弾の存在が明らか …

abe20141021b
消費低迷で高まる増税先送り論。だが現実には決断は困難?

 消費の低迷が顕著になってきたことから、消費税の10%増税に反対する声が高まって …

jutaku
米国の家計バランスシートが急激に改善。日本も株高で改善するのか?

 株式市場の上昇と不動産価格の底入れによって、米国における家計のバランスシートが …