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世帯収入が多いほど無理なくマイホームを購入しているという調査結果をどう見るか

 

 世帯収入が多いほど、無理のない範囲の金額でマイホームを購入している。そんなアンケート結果が公表された。調査を行ったのは、女性サイト「ラルーン」で、同サイトの利用者約2500名にマイホームについて訪ねた。

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 マイホーム購入にかかった費用で最も多かったのは2500万円から3000万円の価格帯で全体の21%を占めている。続いて多かったのは3000万~3500万円の価格帯でこちらは全体の約18%となっている。
 新築マンション購入者の平均価格は約3500万円、新築戸建購入者の平均価格は3280万円であった。他の調査結果でも新築マンションの平均価格は3000万円台後半になることが多いので、平均値としてはこのあたりが標準的と考えられる。

 世帯収入別の購入金額については、明確な傾向が見られた。年収300~390万円の世帯の購入金額は約2550万円となっており、中間を取ると年収の約7.2倍である。この数字は収入が上がるほど低下する傾向が見られ、年収1000万~1250万円の世帯では、購入価格が4240万円となり、年収に対する倍数は約4倍に低下する。

 年収に対するマイホームの価格は5倍以内が妥当などといわれる。実際には頭金の額やローンの期間、金利といった要素があるので、一概に何倍までがよいのかを決めることはできないが、この倍数が少ないに越したことはない。アンケート結果を見る限りでは、世帯収入が多い人の方がゆとりをもってマイホームを購入していることが分かる。

 マイホームを持った方が得なのかについては常に論争の的となっているが、日本の不動産が供給過剰となっており、今後、かなりの数の家が余ることはほぼ確実である。

 総務省が行った住宅・土地統計調査結果によると、全国の空き家率は13.5%となり、過去最高を記録した。また土地白書による調査では、自身が居住している以外の不動産の約3割が未利用になっており、今後相続する可能性がある土地についても「利用する予定はない」という回答が3割を超えている。

 不動産が余っているので賃貸派が勝るのかという必ずしもそうとはいえない。不動産業界は、旧態依然の体質が続いており、経済原理に基づいたビジネスができていないことも多いからだ。

 借地借家法の改正など法整備は進んでいるが、基本的な体質はあまり変わっておらず、経済力に関わらず高齢者が入居できないといった問題がいまだに存在する(諸外国では、不確実性が高い人にも貸すが、滞納があった場合にはすぐに強制退去となる合理的なシステムを採用しているところが多い)。こういった状況から無理をしてでもマイホームが欲しいという人は多い。

 本来であれば、純粋に経済的な損得で、マイホームか賃貸かを選べるのが理想的だが、現時的ではそのような状況にはなっていない。マイホームか賃貸かという論争は当分続きそうである。

 - 社会, 経済 ,

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