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日本人の仕事に対する満足度が低いという調査結果をどう見る?

 

 ビジネスマン向けSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)大手の米リンクトインは2014年8月19日、世界26カ国の同社サービス会員に対する意識調査の結果を発表した。日本のビジネスマンは、転職に消極的で、現在の仕事に対する満足度も非常に低いという実態が明らかになった。

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 現在の仕事に対して満足していると答えた人の割合は、全世界平均では72%だが、日本は65%と下から2番目であった。また非常に満足しているという人の割合でも日本は下から3番目となっている。

 こういった比較調査は質問の方法や社会慣習などに大きく影響されるので、結果から単純に結論を導き出すのは危険である。
 だが、日本人の仕事に対する満足度の低さは以前から共通のものであり、他の調査でも似たような結果が得られている。また、日本と並んで満足度が低いところにランキングされた国を見れば、この結果にはある程度、普遍性があると考えてよいだろう。

 仕事に満足している人の割合がもっとも低かったのはトルコであり、日本のひとつ上にはイタリアが位置している。
 トルコはEU加盟を目指しているにも関わらず、古い価値観と近代的価値観の折り合いがつかず苦慮している国である。政府批判を封じ込めるためにフェイスブックを一時遮断したり、副首相が「女性は公の場で大声で笑うべきではない」と発言するなど、社会の雰囲気は息苦しい。イタリアは財政危機から脱していないことに加えて、先進国の中では前近代的慣習が色濃く残る国として知られている。

 また、日本と並んで非常に満足しているという割合が低いのはロシアと中国であった。両国ともにフェアな市場ではないことから、満足する人の割合が低いことは容易に想像される。

 イタリアを除けば、日本の環境はこうした国々より良好なはずだが、それでも日本人の仕事に対する満足度が低いのは、転職のやりにくさが大きく影響している可能性がある。
 仕事そのものへの不満はそれほどではなくても、選択肢がないという状況が加わることによって、潜在的な不満は大きくなりがちである。

 日本人で積極的に転職活動をしている人の割合は20%となっており、世界平均の25%より低い。終身雇用の慣行はかなり崩れてきているが、それでも新卒一括採用の文化はまだまだ健在である。相対的に転職は不利になるという意識が日本のビジネスマンの中には存在しており、これが転職を抑制しているのかもしれない。

 - 社会, 経済 , ,

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