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カジノ解禁をめぐって依存症の問題が急浮上。だが本質はそこではない

 

 現在、政府内部で検討が進むカジノ解禁をめぐって、ギャンブル依存症に関する話題が急浮上している。厚生労働省は、依存症増加を防ぐため、日本人の利用を認めないよう働きかけていく方針を固めているという。

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 厚生労働省は2014年8月20日、国内でギャンブル依存症となっている人は、人口の4.8%にあたる536万人に達するとの推計を明らかにした。これは諸外国と比較して際立って高い数値だという。
 同省の推計に対しては、依存症の有無やその影響などについて様々な意見が出ている。依存症の問題は確かに重要だが、カジノ解禁について、依存症という観点でのみ議論を進めてしまうと、本質を見誤る可能性がある。

 日本人のギャンブル依存症が多いという同省の推計が正しいのだとすると、それはある意味で、当然の結果といえる。
 公営ギャンブルや、パチンコに代表されるような実質的賭博場が、これほどまでに一般の生活圏内に普及している国は、国際的に見ても非常に珍しいからである。つまり日本はもともと突出したギャンブル大国であり、依存症の数が多いのは当たり前なのである。

 カジノは経済対策や税収対策の一環として計画されている側面が強い。そうだとすると、カジノの問題というのは、お金の流れをどう変えるのかという問題とイコールになる。

 もし一部の諸外国が実施しているように、外国人のみに開放するということになると、お金の流れは基本的に海外から日本への一方通行となる。少なくとも、国内に大きな変化はなく、外貨だけが得られるので、経済的メリットは大きいだろう(ただ、日本のカジノを外国人専用にしてどの程度顧客を集められるかはまた別問題である)。

 一方、日本人にも開放するということになると、これまで公営ギャンブルやパチンコの顧客だった人の一部が、新しいカジノに向かうことになる。これが日本全体として、どのようなお金の流れの変化をもたらすのか慎重に検討する必要がある。

 いずれにせよ、カジノを解禁すれば容易に顧客が集まり、税収が増えるという安易な見込みだけで事業を進めてしまうのは禁物である。重要なのは全体のバランスである。

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