ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

米国は利上げが近い?イエレン氏の発言に最初に反応したのは為替

 

 ドル円相場が急展開を見せている。最近まで1ドル102円前後を行き来している状態だったが、8月18日の週からドルが上昇し、週明けには104円を突破する状況となった。背景には米国の中央銀行にあたるFRB(連邦準備制度理事会)の利上げ観測がある。

frbieren201407

 きっかけは、米ワイオミング州のジャクソンホールで開催されたシンポジウムにおけるイエレンFRB議長の発言。ジャクソンホールの会合は、カンザスシティー地区連銀の主宰で毎年夏に行われているもので、各国の中央銀行総裁が集まることから市場での注目度が高い。

 イエレン議長は、労働市場を特に重視しており、賃金や失業率といった労働市場に関する指標が十分に回復するまでは低金利を続けるべきというスタンスを明確にしてきた。金融政策の世界では、こうしたイエレン氏のようなスタンスをハト派と呼んでいる。米国が低金利政策を続ければ、マネーが大量に供給されることになるので、ドル安と株高が続くことになる。

 ただ、こうしたハト派的なスタンスを長期間続けてしまうと、インフレやバブルなど弊害も大きくなる。米国経済は基本的には順調な回復を見せていることから、近い将来、金利を引き上げる必要があるというのは一致した見方なのだが、問題はその時期ということになる。

 今回のイエレン氏の発言は以前と大きく変わったわけではないが、状況によっては早期に利上げを実施するとも取れる内容となっている。もともと市場には早期の利上げを予想する声が大きかったところに、イエレン氏の発言が重なったことから、一気にドル高が進んだものと考えられる。

 ただ肝心の長期金利については、依然として低いままで、急騰するという状況にはなっていない。とりあえず動きやすい為替が反応したといったところだろう。
 ドル円は長期間膠着状態が続いたことから、市場では動きを待っていたという側面がある。今回のイエレン氏の発言で、利上げのタイミングが近づいたとは断言できないが、少なくとも、為替については、今後、動きが活発になる可能性が高くなってきたといえそうだ。

 - 経済 , ,

  関連記事

imf201404
米国依存が鮮明になったIMFの最新世界経済見通し。日欧の量的緩和策が次の焦点に

 IMF(国際通貨基金)は2014年4月8日、最新の世界経済見通しを発表した。2 …

jidoushayushutu
米国で日本の系列取引に対する批判が再燃の可能性。今回はもう取引材料がない?

 一時期は鳴りを潜めていた日本メーカーに対する批判が、米国で再燃しそうな兆候が出 …

dentsu
労働時間を一気に2割削減するという電通の働き方改革は実現可能か?

 新入社員の過労自殺事件を受け、労働基準法違反で起訴された電通が、労働環境改善に …

hamadak
安倍首相の経済ブレーンである浜田宏一氏が、金融政策の誤りを認めたという話の虚実

 アベノミクスの理論的支柱と言われ、内閣官房参与を務めている浜田宏一エール大学教 …

no image
失業率25%のスペイン。国家は非常事態なのに国内旅行は絶好調。何故?

 経済危機真っ只中のスペインだが、観光業が絶好調である。経済危機によって価格を引 …

euhonbu00
EUが中国製太陽光パネルに反ダンピング関税。保護主義への観測気球との見方も

 欧州連合(EU)の欧州委員会は5月8日、中国が欧州に太陽光パネルを不当に安く輸 …

jinkouchino
学会誌の女性イラスト事件から考える、オープンな現代社会を生き抜く知恵

 人工知能学会は2014年1月9日、1月発行の同学会誌表紙に掲載された女性のイラ …

bouekitoukei 201407
貿易赤字は25カ月連続だが安定飛行状態に。今後のカギは国内サービス業

 財務省は2014年8月20日、7月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …

toshiba03
東芝が来期の業績予想を発表。不正会計問題に加えて経営危機説も

 不正会計問題が指摘されている東芝は2015年12月21日、これまで公表を延期し …

doller
生保が外債投資に一斉シフトという報道は本当か?実際のペースはかなり現実的

 日本生命保険は4月22日、2113年度の資産運用計画を発表した。日銀による異次 …