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米軍が超音速兵器の実験に失敗。だが戦争の風景は着実に変わりつつある

 

 米国防総省は2014年8月25日、極超音速兵器「AHW」の飛行試験を行ったが、失敗したと発表した。AHWを搭載したロケットの発射直後に異常が発生したという。
 今回の実験は失敗したが、米国は新しい概念の兵器開発を着々と進めていることがより鮮明になってきた。近い将来、戦争の概念は大きく変化している可能性がある。

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 AHWは、通常型弾頭(核兵器ではない弾頭)を搭載した飛行体を、空気抵抗の少ない高高度まで打ち上げ、マッハ5以上という極超音速で飛行させ、衛星誘導で標的を攻撃する仕組み。
 米国は、世界中のあらゆる場所を1時間以内に攻撃できる新世代の通常兵器「通常型即応グローバルストライク」の整備を進めているが、AHWもそのひとつといわれている。

 即応グローバルストライクは、北朝鮮のような敵対的国家の軍事拠点、あるいは反米的なテロリストの拠点を、短時間で即座に攻撃することを想定したものといわれている。

 オバマ政権は、現在、国際問題に対する関与を弱め、米軍の展開を縮小する方向で安全保障政策を再構築している。このため、紛争地域に直接軍隊を投入するのではなく、遠隔地から目標を迅速に攻撃できる兵器の開発が強く求められている。無人機の開発もその一環と考えることができる。

 今回のような超音速兵器がもし実用化されれば、中東地域はもちろんのこと、アジア太平洋地域においても、米軍が前線に大規模に展開する必要性はさらに薄れてくる。10年後の米軍の姿は大きく変貌しているかもしれない。

 ちなみに、今回実験に失敗したAHWは、2011年11月に初の発射実験に成功し、現在まで開発が続けられてきたもの。実験では、ロケットから発射された直後に機首が急速に下がり、安全確保のため4秒後に自爆措置が取られたという。

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