ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

動き始めた為替相場。短期的には円安・ドル高要因ばかりだが・・・・

 

 しばらく膠着状態が続いていた為替相場が動き始めた。8月中旬からドルは急上昇を始め、8月25日には104円を、続いて9月2日には105円を突破した。目先はドル高・円安になる材料が揃っており、しばらくはこの流れが続く可能性が高い。ただ、これが本格的な円安の再スタートとなるのかは、まだ何ともいえない。

doruen201409

 もっとも大きなドル高要因は、米国の金利動向である。足元では、長期的な成長率の鈍化予想や、ウクライナ情勢、欧州経済の停滞などから、安全資産である米国債が買われ、金利が低下している。
 だが米国の景気回復は概ね順調という共通認識は変わっておらず、市場ではいつFRB(連邦準備制度理事会)が利上げを行うのかに注目が集まっている。

 FRBのイエレン議長は、金利について特にスタンスを変えているわけではないが、一部のメンバーが早期利上げを主張するなど、徐々に利上げ前倒しの雰囲気が高まっている。市場ではこうした状況の変化を受けて、ドルを買い上がる動きが活発化している。

 日本国内にも要因がある。日本はすでに慢性的な貿易赤字であり、常に実需のドル買い要因が存在している。だが円高への揺り戻しがあると予想した一部の投資家が円を買っており、円安の動きを打ち消していた。だがここまで円安が進んでくると、円高を予想した投資家は一旦ポジションを解消する可能性が高く、ドル高が加速する可能性がある。

 株式市場では、公的年金の株式シフト前倒しが注目されているが、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が発表した最新の運方報告では、予想以上に外国株を購入していることも明らかとなった。3日の内閣改造では、GPIF改革に積極的な塩崎恭久氏が厚労相に就任したことから、株式シフトがさらに進むと見る投資家は多い。公的年金をめぐるこうした一連の動きも円安を加速させている。

 短期的には円安・ドル高の材料が揃っており、しばらくはこの流れが続く可能性が高い。ただ長期的に見た場合、最終的な流れを決めるのは、米国の金利動向である。米国の利上げが期待先行だった場合には、再度ポジションの巻き戻しがあり、円高に振れるリスクも残っている。

 マクロ的なもう一段の円安スタートとなるのかを見極めるまでには、もう少し時間がかかりそうである。

 - 経済 , ,

  関連記事

home02
米国ではなぜ自宅の不動産が超優良な資産になるのか?

 米政府の管理下で経営再建中だった米国の住宅公社2社(ファニーメイとフレディマッ …

no image
相次ぐ大手企業の経営危機によって、会社の所有権論争が事実上決着した

  東京電力による原発事故や、シャープやルネサスエレクトロニクスの巨額赤字など、 …

factory06
国内の設備投資は見かけ上増加。だが季節調整済みではマイナスに

 財務省は2014年3月3日、2013年10~12月期の法人企業統計を発表した。 …

soros02
ソロス氏が日銀の緩和策について、円崩壊につながると警告。我々はどう捉えるべきか?

 日銀による異次元の量的緩和の拡大は、円相場崩落と日本からの資本逃避の引き金にな …

suzuki
軽のスズキがババを引いた税制改正大綱。自動車業界もゼロサムゲームに突入

 自民・公明両党が発表した2014年度の税制改正大綱では、自動車税の扱いが一つの …

toq
クアルコムの新しい腕時計型端末。目玉の新型液晶はシャープ技術の流用?

 米クアルコムは9月4日、腕時計型の携帯情報端末「toq(トーク)」を発表した。 …

mujinheli
欧州でヘリの自動操縦デモを実施。飛行機やバスの無人化はもうすぐそこまで来ている

 欧州のヘリコプター・メーカーであるユーロヘリコプターは4月12日、完全に無人で …

kourousho
ようやく最低賃金が大幅に引き上げられるが、恩恵の多くは中間層に?

 諸外国に比べて低く抑えられていた日本の最低賃金がようやく引き上げられる。最低賃 …

no image
韓国の家計部門が危機的水準に突入と海外メディアが報道

 韓国の家計債務の可処分所得比率が危機的レベルに近づきつつあるといくつかの海外メ …

uber02
ウーバーをめぐる動きが活発化。シェアリング・エコノミー本格離陸の気配

 米配車サービス最大手ウーバー(UBER)をめぐる動きが活発になってきている。シ …