ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

7~9月期GDPを占う7月の機械受注統計。結果はやはりいまひとつ

 

 内閣府は2014年9月10日、7月の機械受注統計を発表した。主要指標である 「船舶・電力を除く民需」(季節調整済み)は前月比でプラス3.5%となった。プラスは2カ月連続だが、5月のマイナスが19.5%と極めて大きな落ち込みだったことを考えると、設備投資の回復は鈍い状況が続いている。

kosakukiki

 9月8日に、4~6月期の国内総生産(GDP)改定値が発表されたが、数値は下方修正となり、消費増税による景気の落ち込みが激しいことを伺わせた。特に影響が大きかったのが設備投資で、前期比マイナス2.5%からマイナス5.1%と、2.6ポイントの大幅減となっている。

  7~9月期については、設備投資がどれだけ回復するのかがカギとなっており、設備投資の先行指標である7月の機械受注には大きな注目が集まっていた。
 結果は、大方の予想通り、あまり冴えない内容だった。2カ月連続でプラスは維持したものの、5月に記録した大幅なマイナスを埋める状況には至っていない。内閣府では連続して基調判断を引き下げていたが、今月は「一進一退で推移している」という先月の判断を据え置いた。

 6月の機械受注統計では、7~9月の見通しも併せて発表されており、こちらはプラス2.2%となっている。4~6月期の実績がマイナス6.7%であったことを考えると、あまり明るい見通しとはいえないが、7月の数字はこの見通しにおおよそ沿った結果になっている。8月以降も、同じような傾向となる可能性が高まってきた。

 よく知られているように、企業の製造拠点の多くはすでに海外に移転しており、国内には目立った設備投資先がない。期待できるのは内需関連の設備投資ということなるが、こちらは個人消費の見通しに大きく左右される。

 大企業を中心とした賃上げで名目上の賃金は上昇しているが、物価上昇や消費増税分を差し引くと、実質的な賃金は低下している。特にボリュームゾーンである中間層以下の消費の落ち込みが激しいことから、個人消費が急回復する見込みは薄い。

 4~6月期GDPの下方修正で景気の先行きには慎重な見方が広がっているが、今月の機械受注の結果も、その傾向を裏付けるものとなった。

 - 経済 , ,

  関連記事

kinko
金庫バカ売れ!タンス預金増加の兆候は果たして何を意味しているのか?

 マイナス金利をきっかけにタンス預金が増加する兆候が出てきている。もともと日本は …

tokyomachinami
企業倒産が激減。日本経済は事実上、機能不全を起こしている?

 企業の倒産件数の減少が進んでいる。2015年はバブル期の頂点だった1990年以 …

canonfactory
キヤノンの国内生産回帰は評価すべきだが、雇用の増加につながるわけではない

 キヤノンは2015年までに自社製品の国内生産比率を現在の42%から50%へ引き …

bouekitoukei 201405
貿易収支は小康状態。気になるのはイラク情勢による原油価格の高騰

 財務省は2014年6月18日、5月の貿易統計を発表した。輸出額から輸入額を差し …

ecb02
欧州中銀がマイナス金利導入を決定。背景は「日本化」に対する懸念

 欧州中央銀行(ECB)は2014年6月5日、定例理事会を開催し、追加の金融緩和 …

abejosei
4~6月期のGDPは大幅マイナスの見込み。秋以降、政局流動化の可能性も

 来週に発表される4~6月期の実質GDP(国内総生産)成長率は、大幅なマイナスに …

swissnb
スイス中銀が突然の為替上限撤廃。ECB量的緩和策直前という最悪のタイミング

 スイスの中央銀行にあたるスイス国立銀行が、自国通貨高を抑制するための為替上限を …

tenanmon
データ改ざんの噂が絶えない中国の貿易統計。実際に数値を検証してみた

 中国の税関当局は5月8日、4月の貿易統計の数値を発表した。それによると、輸出額 …

no image
EUが金融取引税(トービン税)の導入を決定。欧州はルビコン川を渡ってしまった

 欧州連合(EU)は9日、ルクセンブルクで理事会を開き、金融取引税(いわゆるトー …

toshibaenki
東芝が決算発表を再延期。原子力子会社非連結化を打ち出すもスキームは不明

 米国の原子力事業で巨額の損失を抱える東芝は2017年3月14日、2016年4~ …