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正念場を迎える日銀の量的緩和策。黒田総裁は外部の発言を積極化

 

 日銀の量的緩和策が正念場を迎えている。消費者物価指数は伸び率の鈍化が目立ち、4~6月期のGDPは大幅な下方修正となった。黒田総裁はこのところ外部での発言を積極的に行っているが、その背景には、追加緩和に追い込まれずに何とか物価目標を実現したいという思惑がある。

 nichigin04 内閣府が発表した4~6月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価の影響を除いた実質でマイナス1.8% (年率換算でマイナス7.1%)となり、1次速報から0.1ポイント(年率で0.3ポイント)の下方修正となった。消費増税の影響が大きいことがあらためて確認された恰好だ。

 7月の消費者物価指数(総合)はプラス3.4%だった。5月が3.7%、6月が3.6%だったので、伸び率が鈍化している。ここから消費税の影響を差し引くと、2%の物価目標は達成が難しいということになる。

 政府は7~9月期のGDPの結果で消費税10%増税を判断する必要があるが、今の状況のまま10%増税に踏み切ってしまうと、さらに景気を悪化させてしまう可能性が高い。そうなると、日銀に対して再び追加緩和の圧力が高まることになる。
 量的緩和策には過度なインフレなど弊害も多く、日銀としてはなるだけ追加緩和に応じたくないのがホンネである。市場に対するコミットメントのみで物価が動いてくれる状態の方が望ましいわけである。

 黒田総裁は4日の記者会見で円安容認とも取れる発言を行い、さらに11日のテレビ番組でも同様の発言を行った。黒田総裁が外部に対する発言を積極化しているのは、このままでは2%の物価目標達成が難しく、追加緩和の圧力が高まることを危惧していることが背景にあると考えられる。

 現在、円安(というよりもドル高)の材料が目白押しとなっており、長期的にはともかく、しばらくの間は円安が続く可能性が高い。もう一段の円安が進めば、輸入物価がさらに高騰し、物価目標の達成には近づくことになる。
 ただGDPが順調に成長しない中での輸入物価上昇は、経済によい影響はもたらさない。特に実質賃金の低下が続く家計に対する影響は大きいだろう。

 インフレ期待で実質金利を低下させるという量的緩和策の成否は、今後半年の景気動向でかなりはっきりしてくるかもしれない。

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