ニュースの教科書

ジャーナリストが記事にできないホンネやつぶやきを集めた脱力系ニュースサイト

イラクへの地上部隊派遣の動きが進む。オバマ大統領は政権末期で制御困難?

 

 米国でなし崩し的にイラク派兵に向けた動きが進んでいる。イラクでの戦争が再び次期大統領選の争点となる可能性も出てきている。

Hillary Clinton

 デンプシー統合参謀本部議長は2014年9月16日、議会で証言し、過激派組織「イスラム国」に対して、米軍がイラクで地上戦を行う可能性を示唆した。
 オバマ大統領は、基本的に中東の問題に関与しない方針を掲げており、イスラム国に対する空爆に対して一貫して消極的な姿勢を示してきた。
 オバマ大統領はイラクからの撤退を掲げて大統領に当選した人物であることに加え、現在の国民世論が経済に集中しており、中東問題に対する関心が極めて薄いことも影響している。

 だが議会を中心に、再び中東への関与を強めるべきという意見も強くなってきており、国防総省はそうした意向に沿って準備を進めている。制服組トップであるデンプシー氏の今回の発言は、そうした動きを反映したものと考えられる。

 ホワイトハウスは、議会証言後すぐに、米軍には地上での戦闘任務はないと強調した。だが状況は地上部隊派遣に傾きつつあるというのが実態である。

 オバマ政権は任期が残り少なく、いわゆるレイムダック状態となりつつある。イラク派兵の問題はむしろ次期大統領選の争点となる可能性が高くなってきている。
 民主党の最有力候補のひとりである、ヒラリー・クリントン前国務長官は14日、アイオワ州で演説し「出馬を考えているのは事実」と述べた。これは実質的な大統領選への出馬表明と理解されている。

 クリントン氏は、中東への関与について積極的といわれるが、イラク開戦決議に賛成したことが民主党支持者からの反発を買い、オバマ大統領に敗れるきっかけとなった。このため、出版した回顧録では開戦支持は「明らかに間違いだった」と述べ、地上軍を派遣することは「絶対にない」と明言していた。
 一方で、「オバマ大統領のシリア政策は失敗だった」と発言する(その後、批判の意図はなかったと弁明)など、積極政策への回帰を示唆する動きも見せている。

 大統領選出馬にあたっては、イラク派兵を推進する立場になった方が有利になる可能性がある一方、多くの国民からの支持は得にくくなる。皮肉なことだが、イラク撤退を掲げた大統領の退任後は、再びイラク派兵が選挙の争点となる可能性が出てきた。

 - 政治 , , ,

  関連記事

nichigin
目立った成果がないのに日銀の緩和継続のニュースで株価が急上昇した理由

 日銀は2014年2月18日、金融政策決定会合において大規模な金融緩和策の継続を …

amari
甘利経財相が原油安の効果は7兆円との見方。真偽の程は?

 甘利経済財政相は2015年1月9日、原油安が進んでいることに関して「日本経済に …

BBC
公務員根性丸出し!不祥事で引責辞任の英国営放送トップが退職金に異様な執着

 英国の国営放送であるBBCは10日、未成年者に対する性的暴行疑惑をめぐる誤報の …

no image
検察の独善性は万国共通?韓国検察が相次ぐ不祥事を受けて改革案を策定中。

 日本と同様、絶大な権限と半ば特権的な立場が許容されている韓国の検察当局が、これ …

nucleayankey
コスト高から原発撤退が相次ぐ米国。簡単に原発からの撤退を決められるのはナゼ?

 米国で原子力発電からの撤退が相次いでいる。理由は安全性への懸念ではなくコスト。 …

patten
香港最後の総督パッテン氏が、香港民主化をめぐり中国政府と英国政府を批判

 英国統治時代における最後の香港総督として世界的に有名な英国のクリストファー・パ …

nihonyusei
海外M&Aに失敗した日本郵政が今度は野村不動産の買収に乗り出す

 日本郵政が野村不動産の買収に乗り出す。同社はオーストラリアの物流会社を買収した …

touchou
フランスで政府要人の盗聴対策が効果を上げていない本当の理由とは?

 フランスで閣僚など政府要人のセキュリティ対策が効果を上げていないことが問題視さ …

sinjuwan
安倍首相が真珠湾を公式訪問。だが日米同盟の意味はすっかり変わってしまった

 安倍首相は2016年12月26~27日、太平洋戦争のきっかけとなったハワイの真 …

abe20130901
秋にまとまる一連の成長戦略パッケージは、事実上の計画経済へのシフト?

 秋の臨時国会に提出が予定されている産業競争力強化法案など、一連の成長戦略パッケ …