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想定外のウォン高進行で、韓国経済が総崩になる兆候。

 

 これまで好調に推移してきた韓国経済が総崩れになる可能性が出てきた。原因は急速に進んだウォン高。通貨安と一部の輸出企業の業績に過度に依存した経済モデルの欠点が一気に顕在化してきている。

 これまで韓国企業は圧倒的なウォン安を背景として順調に輸出を伸ばしてきた。だが、ここにきてウォン高が急激に進んでいる。米国や欧州の緩和政策と低金利を受け、新興国の通貨にマネーが殺到しているからである。
 今年の6月に1ドル1180ウォンの安値を付けて以来ウォン高が続き、10月に入ると1100ウォンを切った。11月7日には米大統領選挙でオバマ大統領が再選されたことから、米国の緩和政策が継続するとの見方が強まり、さらにウォン高が進んで1ドル1085ドルまで上昇している。
 韓国企業は1ドル1050ウォンを超えると利益が出なくなるといわれており、現在の相場水準が続くと多くの韓国企業が苦境に立たされることになる。

 韓国がウォン高を過度に警戒するのは、韓国経済が一部の輸出企業に依存した特殊な構造となっているから。

 韓国は経済的に豊かにはなってきたが、成熟国家にはまだ遠く、日本のような厚い内需が存在しない(日本も欧米と比べるとやはり内需が貧弱)。
 サムスンや現代など一部の輸出関連企業が極めて高い収益を上げる一方で、国内の中小企業はこれら大企業の下請けとしてしか活動できず、収益力は極めて弱い。

 また戦後長期間にわたって貿易黒字を出し続けた日本と異なり、韓国には資本蓄積がほとんどない。日本は国内企業の資金需要を100%国内資金でカバーできるが(逆に日本は金が余っているのに投資先がない)、韓国は事業に必要となる資金の多くを海外からの短期的な借り入れに頼っている。
 大手メーカーの業績が好調なうちはよいが、ひとたび業績が悪化すると、海外からの資金が引き上げてしまい、資金ショートを起こす可能性がある。また大手企業に100%依存した中小企業の経営が極度に悪化し、一気に経済がシュリンクしてしまう。
 日本が韓国に対して通貨スワップを提供したのは、まさにこの資金ショートを防ぐための措置である(竹島をめぐる日韓対立でスワップ契約は停止された)。

 半年近くウォン高が続いたことから、相場は一服するとの見方も多い。この水準で為替が安定すれば、韓国もなんとか現状維持することが可能だ。だが、今後短期間でウォン安に戻る可能性は低く、全世界的な需要の後退もほぼ確実な状況となっている。
 これまで好調なパフォーマンスを見せてきた韓国経済が岐路に立たされていることだけは間違いないようだ。

 - 経済

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